いつどんなときも最悪の事態にそなえる

──大暴落でどん底を経験されたわけですが、そこから見事にカムバックされますね。

 そのときの暴落は一過性のもので、すぐに上げ相場に戻ったんです。とくに僕が保有していた不動産関連銘柄は好調で、約半年で9,000万円から1億6,000万円に復活しました。さらに2005年の後半に入ると、世の中の投資ブームにも乗り、驚くほどの勢いで上昇していきました。結果、その年の12月に10億円の大台に乗せることができたわけです。

──10億円あれば一生遊んで暮らせますよね(笑)。そのとき投資生活から足を洗って、悠々自適の暮らしを送ろうとは考えませんでした?

 正直言うとちょっと考えました(笑)。でも、それどころではなくなってしまったんですよ。

──ライブドアショックですね。

 おっしゃる通りです。たしか翌年1月の半ばでしたが、ライブドア本社に強制捜査が入ったというニュースが飛び込んできたんです。そしてそれを機に株式市場が混乱し、大暴落に至りました。

──それで10億円の半分が泡と消えた?

 同時にリタイア計画も立ち消えとなりました(笑)。

──5億円損した経験のある人は、そうはいないと思うんです。どんな気持ちなんでしょう?

 実はこの頃、あるテレビ局に取材されたんです。「ライブドアショックでひと財産失った人」として(笑)。当然、テレビ局は「ホリエモン憎し!」みたいなコメントを期待していたのでしょうが、僕自身はべつに恨みには思っていませんでした。というのも、当時、ライブドアのような勢いのある新興企業がたくさんあったからこそ、僕は10億円に到達できたわけです。ある意味、ホリエモンさまさまだったわけです。しかも、暴落したといえ、まだ5億円残っている。1年半前は9,000万円まで減ってしまったわけですから、5倍以上に増えているんです。そこで「ホリエモンに恨みはない」みたいな話をしたら、テレビ局の人はアテが外れて困っていましたが(笑)。

──つまり、あまりショックではなかった?

 もちろん、ショックはありましたけど、投資をしている限り、こういうことは起こりえるわけで、仕方ないかなという感じでしたね。

──案外、冷静でいられるものなんですね。

 長く投資をしていると、最悪の事態に対する心の準備みたいものが自然とそなわってくるんです。めちゃくちゃ調子のいいときでも「この状態がいつまでも続くわけがない」「そのうち突き落とされるだろう」という思いが心のどこかにあります。だから、冷静でいられるんでしょうね。

──この後、リーマン・ショックが訪れます。そのときはどうだったんですか。

 じつはライブドア・ショックの後、日本株を売り払い、中国株やベトナム株に乗り換えたんです。このへんで少し気分転換するのも悪くないかなと思って。ところが、そのうちベトナムの情勢が怪しくなってきまして。日本株に戻ろうかと考えたのですが、日本市場もパっとしませんでした。とくに僕が得意にしていた不動産株が最悪の状態でした。で、ここは守りに徹するのが得策かなと思い、株はやめて、REIT(不動産投資信託)に乗り換えたんです。

──つまり、リーマン・ショックのときは株を保有していなかった?

 そういうことです。もちろんREITも下落しましたから、それなりに損失はありました。でも、周りに比べたら被害は少なかったかもしれません。

──なんらかの勘が働いたのかもしれませんね。

 2007年3月以降のサブプライム問題、ベトナム株下落とベトナム通貨のドン下げ、欧米の投資資金が日本の不動産を売却して、日本の不動産投資関連会社の破綻続出などを見ていて、なんで、欧米資金が逃げ出しているのか、不安に感じていました。リーマン・ショックの大余波を予期していたわけではありませんが、米国の金融情勢が悲劇的な状況の割には比較的大人しい株価推移だったため、おかしな雰囲気を感じて少し怖かったのは確かです。

 リーマン・ショックの大余波を予期していたわけではありませんが、結果的にはその後、リーマン・ブラザーズが経営破たんし、AIGさえも経営破たんが懸念され、100年に1度の大暴落となりました。今思うと、当時感じた「おかしな雰囲気」というのは当たっていたといえますね。

──では、次回はその後の経緯をおうかがいします。

 

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トウシル編集チーム
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