facebook twitter
VWとプラチナ相場のカンケイとは?
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

VWとプラチナ相場のカンケイとは?

2017/8/16
・米朝間の緊張緩和で金は続落
・ドイツがプラチナ相場に与える影響
・非鉄は強気相場
・原油は3週間ぶりの安値
facebook twitter メールで送る 印刷

米朝間の緊張緩和で金は続落

 金相場は続落。良好な米国経済指標や米朝間の緊張緩和を背景に安全資産である金を売る動きが強まった。それでも1,270ドルのサポートは維持しており、基調は崩れていない。市場は北朝鮮情勢とドル安を材料に買い上げてきたが、これが緩和されたことで、目先の金は売りが出やすくなっている。

 しかし、米利上げが12月に行われる確率はいまだに40%台と低く、さらに米CPI(消費者物価指数)の伸びも鈍化傾向にあることから、これが金相場を押し上げることになるだろう。長期的には、状況は何も変わっておらず、金相場に対する見方を変える理由は見当たらない。

ドイツがプラチナ相場に与える影響

 ドイツのメルケル首相は、「最終的には欧州域内の各国に追随してディーゼル車を禁止しなければならない」との考えを示した。排ガス不正を受けて、ディーゼルの時代が終えんを迎えることを初めて認めたことになる。

 さらにメルケル首相は、ディーゼル車の「禁止措置を導入する具体的な年には言及したくない」としたが、「エンジンを動力とする車を2040年までに段階的に禁止する英国やフランスの計画は正しいアプローチ」との認識を示している。

 排ガス不正は2年前にVW(フォルクスワーゲン)が米国の排ガス試験での不正を認めて発覚。ドイツの自動車業界は8月に入ってから、信頼回復策として国内のディーゼル車530万台のエンジン制御ソフトウエアを更新することで合意している。

 ドイツの自動車業界は約80万人を雇用している最大の輸出産業であり、ディーゼル車の不正は、9月24日に行われる予定のドイツ連邦議会選挙を前に、論議の的になっているという。メルケル首相が4期目を目指すなか、政界からはメーカーの役員らが適切な対応策を示していないとの批判が上がっている。今後は自動車メーカーへの圧力がさらに強まることになる。

 ディーゼル車への締め付けが厳しくなれば、触媒に使用されるプラチナ需要の落ち込みにつながるとの連想から、プラチナ相場の上値が押さえられる可能性もある。

非鉄は強気相場

 非鉄相場は総じて堅調に推移。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが増加したが、それ以外は減少した。

 アルミは反発し、高値を更新した。この動きは強い。銅はやや調整色が強まっており、6,400ドルを割り込んだ。目先は6,300ドルまで下げる可能性があるが、そこで下げ止まれば、再び反発に転じるだろう。ニッケルは大幅続落だが、1万200ドルを維持できていれば、中期的な基調は維持されていると判断できる。亜鉛は大幅続伸し、高値圏を更新した。鉛も急伸し、基調は回復している。

 このように下値の堅さが目立っており、非鉄相場はすでに強気相場に入っていると考えてよいだろう。

原油は3週間ぶりの安値

 原油は小動き。ドル高や中国の需要軟化の兆しが圧迫し、一時3週間ぶり安値を付けた。ただし、その後は買い戻された。

 中国では7月の製油所稼働状況が昨年9月以来の低水準に落ち込んでおり、これが中国の需要減退懸念につながっている。また、OPEC(石油輸出国機構)や米国など主要輸出国の供給が十分なことも、圧迫要因になりやすい。

 一方、リビア・シャララ油田の関係者は警備上の問題を受けて、産油量が従来の日量約28万バレルから13万~15万バレルに落ち込んだとしている。

 リビアの生産現場では、最近になって車や携帯電話が盗まれる事件が起きているもようで、作業員らが一部施設に近づくことが難しい状況にあるという。NOC(リビア国営石油会社)は「犯行は個人によるもので、犯人はすでに罰せられた」としており、油田は安全で安心できる状況であるとしている。ただし、生産への影響については言及していない。市場でもあまり材料視されていないようだ。シャララ油田は、NOCがレプソル(スペイン)、トタル(フランス)、スタトイル(ノルウェー)との合弁で運営している。

 一方、API(米石油協会)が引け後に発表した11日までの週の米国内の原油在庫は、前週比920万バレル減となった(市場予想は310万バレル減)。オクラホマ州クッシングの原油在庫は170万バレル増だった。

 ガソリン在庫は30万1000バレル増(市場予想は110万バレル減)、ディスティレート在庫は220万バレル減(同バレル減)だった。原油在庫が引き続き大きく減少しており、EIA(米エネルギー情報局)のデータでも確認できれば、原油相場に相応のインパクトがあるだろう。

※8月17日、18日の「コモディティ デイリーコメント」は休載します。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

1周年特集
投資の失敗
桐谷広人
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせくださいVWとプラチナ相場のカンケイとは?

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

VWとプラチナ相場のカンケイとは?

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
1周年特集
 
ハゲタカ
 
世界のリスクを総点検
投資の失敗
 
はじめての下落相場と損
 
株主優待・桐谷広人
美白YouTuberが紹介!無理なくカンタンな貯蓄術のススメ
 
老後破綻
 
動画でわかる
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。