12月の優待銘柄を人気順に並び替え
「並び替え」のところを、「人気順」に変えると、人気順に170銘柄が表示されます。ご参考までに、12月の優待銘柄、人気上位10銘柄は以下の通りです。株価の右側の「優待内容」をクリックしていただくと、どのような優待を実施しているかご覧いただくことができます。
結果に「楽天」が含まれていましたが、「楽天」は投資判断の対象外なので、除外して表示しています。
人気 順位 |
コード | 銘柄名 | 株価 | 最低 投資金額 |
優待内容 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3197 | すかいらーくHD | 1,850 | 185,000 | 優待内容 |
2 | 2914 | 日本たばこ産業 | 2,836.5 | 283,650 | 優待内容 |
3 | 2702 | 日本マクドナルドHD | 5,110 | 511,000 | 優待内容 |
4 | 7267 | 本田技研工業 | 3,161 | 316,100 | 優待内容 |
5 | 1435 | TATERU | 412 | 41,200 | 優待内容 |
6 | 2193 | クックパッド | 410 | 41,000 | 優待内容 |
7 | 5301 | 東海カーボン | 1,571 | 157,100 | 優待内容 |
8 | 4563 | アンジェス | 443 | 44,300 | 優待内容 |
9 | 3673 | ブロードリーフ | 630 | 63,000 | 優待内容 |
10 | 2503 | キリンHD | 2,720.0 | 272,000 | 優待内容 |
出所:楽天証券「株主優待検索」 |
人気トップ10銘柄の業績をチェック
優待銘柄を選ぶ時、「優待内容の魅力」だけで決める方がいますが、株式投資である以上、最低限、足元の業績はチェックしましょう。まず、人気トップ10の前期(2017年12月期)から今期(2018年12月期)にかけての連結営業利益の推移を見てください。
12月優待人気トップ10の連結営業利益:2017年12月期実績と2018年12月期会社予想(クックパッドのみ市場予想)
2017年 12月期 実績 :億円 |
前期比 :% |
2018年 12月期 会社予想 :億円 |
前期比 :% |
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すかいらーくHD | 281 | ▲10.1 | 240 | ▲14.6 |
日本たばこ産業 | 5,611 | ▲5.4 | 5,320 | ▲5.2 |
日本マクドナルドHD | 189 | +172.9 | 235 | +24.3 |
本田技研工業 | 8,335 | ▲0.9 | 7,900 | ▲5.2 |
TATERU | 58 | +55.0 | 30.6 | ▲48.1 |
クックパッド | 53 | +7.5 |
27 ※市場予想 |
▲49.1 |
東海カーボン | 114 | +915.1 | 750 | +553.0 |
アンジェス | ▲32 | 赤字 | ▲31 | 赤字 |
ブロードリーフ | 30 | +2.0% | 39 | +29.5 |
キリンHD | 2,110 | +7.4% | 1,940 | ▲8.1 |
出所:各社決算短信、クックパッドの2018年12月期のみ市場予想(日経QUICKコンセンサス予想) |
以下、トップ10銘柄について、コメントします。
売るべきと考える銘柄:TATERU
アパート施工・管理を手がけるTATERUは、今年8月31日に建設資金借り入れ希望者の預金残高を改ざん(水増し)して、融資を受けやすくしていた問題が発覚し、株価が急落しました。この問題を受けて、同社のブランド価値は毀損し、アパートプラットフォーム事業の成約数は4~6月の255件から、7~9月は45件に急減しています。この不祥事の顛末がわからない状況で投資すべきでないと考えています。保有していれば、売却した方が良いと考えます。
投資は避けた方が良いと考える銘柄:クックパッド・アンジェス
料理レシピサイト運営会社クックパッドは、2015年12月期まで、成長企業として投資家の人気が高かった銘柄です。ところが、成長を牽引してきた穐田氏(前社長)が、創業家出身の佐野取締役(現社長)と対立する「お家騒動」が起こって社長を退任してから、業績は低迷しています。2018年1-9月の連結営業利益は、前年同期比50%減の20億円でした。業績回復の道筋が見えない中では、投資を避けた方が良いと思います。
アンジェスは、東証マザーズ上場の、バイオ・ベンチャー企業です。遺伝子治療薬の開発を進めています。夢はあるものの、成功するか現時点でわかりません。過去10年以上、赤字が続いており、投資リスクはきわめて高いと考えられます。優待銘柄として長期投資するならば、赤字銘柄は避けるべきと思います。
優待銘柄として長期保有して良いと考える銘柄:日本たばこ産業・日本マクドナルドHD・キリンHD
日本たばこ産業は、予想配当利回り(2018年12月期・会社予想ベース)が、11月28日時点で5.3%と高いことも魅力です。優待が魅力な好配当利回り株として、注目しています。
リスクを理解した上で投資する価値がある思う銘柄:すかいらーくHD・本田技研工業
すかいらーくについては、後段で詳しく説明します。
本田は、長期投資で保有していい銘柄だと思いますが、世界景気や為替変動の影響を受けやすく、世界景気の変動にともなって株価が乱高下するリスクに注意が必要です。本田については、以下のレポートの中で解説していますので、ご参照ください。
11月27日:急落した日産、今が買い?配当利回り5.8%は信頼できるか?
私がファンドマネージャーなら積極的に買いたいが、リスクは高い銘柄:東海カーボン
東海カーボンは、先に掲載した通り、足元の業績は急拡大しています。業績拡大に株価上昇が追いついていないため、予想PERは11月28日時点で、4.5倍まで低下しています。今後、業績が急激に悪化しない限り、割安株として見直されて株価が上昇する余地が大きいと判断しています。
業績拡大を牽引しているのは、黒鉛電極です。鉄スクラップを溶かして鉄鋼製品を生産する電炉【注】に必須の中心的素材です。
【注】電炉と高炉
鉄鋼を生産する方式に、電炉法と高炉法がある。電炉では、電気で鉄スクラップを溶融して鉄鋼を生産する。高炉では、鉄鉱石と石炭から、鉄鋼を生産する。
中国が、国策として、高炉にかたよった製鉄方式を見直して電炉拡大を打ち出したため、黒鉛電極に大量の注文が集中し、2017年後半から需給逼迫が続いています。深刻な品不足が続く中、価格上昇と数量増の両面から、東海カーボンの業績拡大につながっています。同社社長は、中国が急に国策を変更しない限り、ブームは長期化するとコメントしています。
中国は環境規制を強化し、大気汚染の原因となっている高炉から、電炉への切り替えを急いでいます。国策が急に変更されるリスクはありますが、そうならない限り、来期(2019年12月期)以降も営業利益の拡大が続くと考えられます。来期も増益が続くと見通せるようになれば、PERで割安な同社株が見直されて上昇すると予想しています。