トランプ大統領がFRBを批判

 11月26日、トランプ大統領がウォールストリート・ジャーナルのベテラン記者、ボブ・デービスの独占インタビューを受けました。
 その中でトランプ大統領は、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長の金利政策に対して強い不満を持っていることが明らかになりました。

 

QTとは?

 FRBは現在
1) 利上げ
2) QT

 という二つの政策を実行中です。このうちQTとは量的引き締め政策(Quantitative Tightening)を指し、市場から現金を吸い上げることを意味します。

 これを説明するため、少し歴史を遡ります。

 リーマンショックが世界経済を襲った時、当時のベン・バーナンキFRB議長は、急いで米国の政策金利である「フェデラルファンズ・レート」をゼロにしました。しかしそれでも未だデフレ圧力が収まらないため、FRBが直接市場から国債や住宅抵当証券を買い入れる、いわゆるQE(量的緩和政策/Quantitative Easing)を始めたのです。

 投資家から債券をFRBが買うということは、購入代金としてキャッシュを彼らに渡すわけですから、市中に現金がバラ撒かれることを意味します。これがQEです。

 それをやるとFRBの金庫は債券の在庫でパンパンになるわけです。その様子を示したのが下の図です。

 しかし、米国経済はようやく調子を取り戻し、いまはむしろデフレよりインフレのほうが気になる状況です。

 そこでFRBはゆっくりフェデラルファンズ・レートを引き上げるとともに、在庫にしている債券のうち、償還が来て自然にキャッシュに変わってしまう自然減に関しては、いままでそのキャッシュでもういちど新しい債券を買い直していた行為を止め、減るに任せることにしました。 

 この「減るに任せる」ということは、実質的に市場から現金を吸い上げていることを意味するのです。現在の現金吸い上げのペースは毎月500億ドルです。
トランプ大統領が「気に入らない!」と言ったのは、この500億ドルを指しているのです。