割安感から、金相場上昇か

金相場はほぼ横ばい。下げ渋っている。ややドル安の動きだったが、金市場の反応は鈍い。高値からの下落で下値を固める動きにあり、1,250ドルで下げ止まっていることから、この動きが完了すれば上向きになりやすい地合いにあるといえる。ドル安基調に変化はなく、徐々にドル安が意識され、ドル建て金相場の割安感が相場を押し上げることになるだろう。

11日の米国CPI(消費者物価指数)の動きに注目が集まるが、原油相場が低迷しているため、大幅な上昇は期待しづらい。市場では、7月の米国雇用統計が堅調だったことから、ドル高を見込む動きもあるようだが、年内利上げ確率は依然として5割を下回っており、現時点では極めて難しい情勢にある。原油相場が大幅に上昇しない限り、利上げは困難であることを理解しておきたい。

米国セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は「米国の労働市場が改善し続けても、インフレが大幅に上昇しそうにないため、FRB(連邦準備制度理事会)は政策金利を当面据え置く可能性がある」としている。当然の理解だろう。

非鉄は堅調。銅が節目となる6,400ドル超え

非鉄相場は堅調に推移。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが増加したが、それ以外は減少した。アルミは急伸。1,910ドルで下げ渋っていたが、この日は急上昇し、1,973ドルまで上げている。銅も上昇し、とうとう重要な節目の6,400ドルを超えてきた。これはきわめて重要な動きである。ニッケルは反発し、高値を維持している。亜鉛は2873ドルまで上昇し、高値を更新。鉛も反発し、高値を更新した。これらの動きを見る限り、非鉄相場は再び新たな水準に切り上げているといえる。

増産の動きにより、原油は軟調

原油は軟調の推移。OPEC(石油輸出国機構)主導の協調減産参加を免除されているリビアで最大規模のシャララ油田からの供給が加速していることが材料視されたようである。市場では、依然としてOPEC主導の協調減産に懐疑的な見方がある。UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ首長国では産油国の専門家会合が開催されているが、新たな材料が出てくるかに市場は注目している。

最近のOP ECの増産は、リビアとナイジェリアの生産回復によるものであり、やはりこれらの国の生産量減少がないと、原油相場は上昇に向かいづらいだろう。米国では石油掘削リグ稼働数が減少したものの、産油量は7月28日までの週で日量943万バレルと、2015年8月以来の高水準にあり、これも相場の上値を押さえやすいといえる。

モルガン・スタンレーは、10~12月に産油量が前年同期比で日量90万バレル伸びると予想し、従来の増加幅予想である86万バレルを上方修正している。依然として弱気な見方が多いようである。

一方、ゴールドマン・サックスは、5~6月のデータを集計した結果、世界の原油需要は堅調な経済成長を背景になお力強いとの見方を示している。世界需要の52%を占める米国、日本、インド、中国、韓国、ブラジル、メキシコ、スペイン、フランスのデータによると、6月の世界需要は前年比日量154万バレル増加したと推計した。

また、今年第2四半期の原油需要は日量181万バレル増加したとみられ、原油価格が前年比で上昇しているにもかかわらず、需要の伸びは従来予想の日量155万バレルを上回ったとしている。ゴールドマンは下半期の需要は日量160万バレル増加すると予想。そのうえで、今年のブレント原油は52ドルで、世界の実質GDP(国内総生産)は3.7%増を見込んでいる。

一方、米国では石油精製会社の利ザヤの縮小が続く可能性が指摘されている。ベネズエラなどからの重質原油の供給が減少から、複数の石油精製会社はコスト高だが精製が容易な軽質スイート原油にシフトしているという。今後は石油精製会社がコストを製品に転嫁すれば、ガソリン価格が上昇する可能性があることを意味する。主要石油精製会社は決算会見で、軽質原油の精製を増やしているとしている。

また、エクソンモービルも湾岸プラントで軽質原油の精製を増やしているという。石油精製会社はすでにマージンにおいて大きな影響を受けており、第3四半期も影響を受けるとみられている。第4四半期以降にベネズエラからの輸入が制限されるような事態になれば、さらにマージンは圧迫されることになる。そうなれば、石油製品価格の上昇がより顕著になり、これを受けて原油相場にも上昇圧力が掛かることになりそうである。