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米国の利上げ期待で「金」は下落、「原油」は上昇
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

米国の利上げ期待で「金」は下落、「原油」は上昇

2017/8/7
・米雇用統計の結果やFRBの動向で、金は下落 ・非鉄は強く、高値維持 ・需要拡大に期待が高まり、原油は反発
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米雇用統計の結果やFRBの動向で、金相場は下落

金は軟調。予想より堅調だった4日発表の7月の米雇用統計を受け、ドルが買い戻されたほか、FRB(連邦準備制度理事会)が今年3回目となる利上げを行う可能性が高まったことが圧迫要因となった。

7月の米雇用統計では、非農業部門の就業者数は季節調整済みで前月比20万9,000人増だった。前月6月の23万1,000人増(改定)から伸びはやや減速したものの、好調の目安とされる増加幅の20万人を2カ月連続で上回った。

失業率は4.3%と前月6月から0.1ポイント低下。労働市場の堅調さを改めて示されたといえる。市場予想は、就業者数が18万3,000人増、失業率が4.3%だった。

5月の就業者数は下方修正された一方、6月は引き上げられた。

物価動向の先行きを示す数値として注目される平均時給は26.36ドルと前月比0.09ドル増。前年同月比では2.5%増加した。前月比では0.09ドル(0.3%)増と、伸びは前月6月の0.2%増から加速し、5カ月ぶりの大きさとなった。

このような内容が、市場では利上げ観測の高まりにつながったようだが、市場の見方は誤りといえる。インフレは高まっておらず、FRBが利上げできる素地はまったく整っていない。ドルの戻りも一時的にならざるを得ないだろう。

一方、世界最大の金ETF(上場投資信託)であるSPDRゴールド・トラストの保有高は、7月28日の791.88トンから8月4日には787.14トンに減少した。減少傾向は続いている。また、7月の金保有高が7%以上減少。月間の減少幅としては、13年4月以降で最大だった。投資家が金保有を圧縮して、株式など他の資産に資金を移したことが背景だろう。

COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、8月1日時点で12万9,672枚の買い越しとなり、前週から3万8,841枚増加した。買いポジションは1万9,467枚増加した一方、売りポジションが1万9374枚減少した。金相場の上昇基調が続く中、投機筋の新規の買いと買い戻しが継続している。

 

非鉄は強く、高値維持

非鉄相場はまちまち。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルが変わらず、それ以外は減少した。

米雇用統計が堅調だったことを受けて、ドルが上昇したことが圧迫した。

アルミは重要なサポートの1,910ドルを割り込んでおり、ここで下げ止まれるかが重要なポイントといえる。銅は小幅上昇し、高値圏を維持している。ニッケルは小幅に下げたが、同様に高値を維持している。亜鉛は2,800ドルを維持し、鉛は下げたが2,350ドルで支えられている。

非鉄相場の全体の基調は強く、高値圏を維持している。

状況は何も変わっておらず、引き続き長期的な上昇に向かい、順調に進んでいるといえるだろう。

中国は今後もインフラ投資を継続するものと思われ、これも非鉄相場を支えるだろう。

 

需要拡大に期待が高まり、原油は反発

原油は反発。7月の米雇用統計が市場予想を上回ったことから、エネルギー需要拡大に期待が高まったもよう。

ドルは上昇したが、材料視されなかったといえる。

米国とOPEC(石油輸出国機構)の増産や、OPECの輸出増が圧迫しているものの、力強い需要が下げを抑制している。

8月7~8日にはUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ首長国で、OPECと非加盟国による専門家会合が開催され、減産合意の順守強化策を検討する方針だ。ここで新たな材料が出てくれば、上昇に弾みがつく可能性がある。

一方、米国内の産油量は日量943万バレルと、2015年8月以来の高水準に達し、2016年6月から12%増加した。夏場の燃料需要の増加がみられており、これが原油相場を支えている。

米国内石油掘削リグ稼働数は前週比1期限の765基となり、前年同週のリグ稼働数である381基から大幅に減少している。ただし、過去3週間では、減少は2週目となる。

ここ数カ月の原油安への対応で投資削減が計画される中、15カ月間におよぶ回復基調は鈍化している。これは強材料として認識されやすいだろう。

原油相場の雰囲気は徐々に変化しており、投機筋も買いに回り始めている。8月1日時点の投機筋のNYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物、オプションの買い越しは、前週から6万3,27枚増加した。買いポジションが5万8,62枚増加し、売りポジションが4,65枚減少した。新規買いと買い戻しが入っており、上昇パターンにある。

この動きをしっかりみておけば、投機筋が慌て始めていることがわかる。いずれショートポジションは買い戻しを余儀なくされ、これも原油相場の上昇を促すことになるだろう。49.50ドルを維持できれば、いずれ節目の50ドルから直近高値の50.40ドルを上回り、51.20ドルを超えると本格的な戻り局面に入ることになるだろう。

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