金は続伸

金相場は続伸。4日発表予定の7月の米国雇用統計を控えるなか、7週間ぶりの高値をやや下回る水準で堅調に推移している。アジア市場では1分間で6.2%安と急落し、一時1,258.20ドルまで下げる場面があったが、その後すぐに買い戻された。最近はこのような不思議な値動きが増えており、誤発注あるいは受発注システムのアルゴリズムの間違った動きなどが理由と考えられる。
米国の軟調なインフレ指標などを受けて、年内の利上げ確率が50%を下回る低迷となっており、これがドル安を誘っている。FRB(米国連邦準備制度理事会)の年内利上げ観測の後退は、金利が付かない実物資産である金に買いが入りやすい地合いにあるといえる。米国雇用統計の数字次第では、さらにドル安基調が続く可能性がある。
金相場自体は1,200~1,300ドルのレンジを抜けておらず、次のステージに入る準備段階にあるといえる。現時点ではすぐにこのレンジ上限を上抜けるほどの材料はないが、雇用統計がトリガーとなり、1,270ドルを明確に上抜けると、年末に向けて上昇の再加速となる可能性は十分にあるだろう。
一方で、下げた場合でも、1,200ドルの水準に近づけば現物需要が出てくることで、底割れの懸念もほとんどない。結局は上昇に備えておくのが賢明との判断になる。
また、WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)によると、2017年上半期の世界の金需要は前年比14%減だった。ETF(上場投資信託)購入が急減したことが背景としている。しかし、金相場の水準が高いと、これらの投資主体は金購入を見送る傾向がある。また、株価が堅調に推移していたことも、投資家の資金が金から株式に向かいやすかったといえる。そのように考えておけば、この動きを気にする必要はないだろう。

非鉄は高値維持

非鉄相場はまちまち。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。中国の弱いサービス部門PMI(購買担当者景気指数)が嫌気されて上値が押さえられている印象である。ただし、ドル安基調は継続しており、基調が大きく崩れる状況ではない。
アルミは1,910ドル前後のサポートをかろうじて維持しており、基調は維持されている。銅は最近の上昇で利食い売りが出ているが、横ばいで推移しており、高値でよく持ちこたえているといえる。底堅い中国経済の見通しや、銅スクラップ輸入規制の観測、ドルの一段安などが支援材料になっている。また最近は銅以上に鉄鉱石が好との指摘もある。高値を維持しながら、6,400ドルを超えると一気に水準を切り上げることになるだろう。ニッケルも高値を更新しており、きわめて強い動きにある。

OPECの動き懸念で原油反落

原油は反落。前日は米ガソリン需要が過去最高だったことが材料視されたが、この日はOPEC(石油輸出国機構)の高水準の輸出への懸念が売りにつながった。しかし、米国の堅調な石油需要が相場を下支える構図は変わっていない。ただし、トムソン・ロイターによると、7月のOPECの原油輸出量は過去最高の日量2,611万バレルとなり、前月から37万バレル増加した。アフリカのOPEC加盟国からの輸出が急増したことが背景という。ナイジェリアの7月の輸出量は前月比26万バレル増の219万バレルで、15年11月以来の高水準だった。アンゴラは20万バレル増の189万バレル、リビアは12万バレル増の88万バレルだった。
一方、減少幅がもっとも大きかったのはサウジアラビアで、7月の輸出量は前月から日量36万バレル減の710万バレルとなり、クウェートとカタールも減少した。イラクの7月の輸出量は、ほぼ前月並みの日量322万バレルで、イランは前月から日量10万3000バレル増の229万バレルだった。OPECの生産水準が維持されれば、原油相場の上げにくくなる。
ロイター調査では、7月のOPEC産油量は前月比9万バレル増の日量3300万バレルが見込まれている。減産を免除されているリビアの生産回復が続き、年初来最高に達しており、これを抑制する必要があるだろう。一方で、安い原油価格の水準でも操業ができる企業の数が増えているとの指摘もある。とはいえ、この状況が長続きするかは疑問が残る。いずれ、調整されることで原油生産・供給の頭打ちが確認されることで、原油相場は一定の水準を取り戻すことになろう。