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「金」は高値を維持、「原油」は反発
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金」は高値を維持、「原油」は反発

2017/8/3
・金は7週間ぶりの高値 ・非鉄は全体的に下落だが、底がたい ・原油安。OPEC産油量が前月比増
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金は堅調が続く

金相場は続伸。7週間ぶりの高値近辺での推移だった。ドルが15カ月ぶりの安値になったことや、7月のADP全米雇用報告の内容が予想を下回ったことで、今後数カ月内にもFRB(米連邦準備制度理事会)が追加利上げを実施しないのではないかとの疑問が生じたことで、金利を生まない実物資産である金に買いが入った。このところの高値圏での推移は、明らかにドル安が影響している。年内の利上げ確率は48%程度で推移しており、利上げは困難な状況にあり、当面はドルが上昇しづらい状況にある。そのため、金相場は堅調さを維持するものと思われる。

7月のADP全米雇用報告では、非農業部門の民間就業者数が前月比17万8,000人増となり、市場予想を下回った。市場では4日発表予定の7月の米国雇用統計にも注目している。その内容次第では、再び利上げ機運が高まる可能性があるものの、大幅な雇用増とならない限り、ドル高への転換は想定しづらく、金相場の基調も変わらないだろう。ただし、目先は高値圏で推移しており、やや上値が重くなりそうな印象である。1,270ドルを明確に超えられないと、一時的に調整が入りやすいだろう。それでも1,250ドルを割り込むような下げは想定していない。

ドイツの7月の新車登録台数は前年同月比1.5%増の28万3,080台だった。7月はガソリンエンジン車の登録台数が11.2%増えたが、NOx(窒素酸化物)排出量が問題となっているディーゼルエンジン車は12.7%減。新車登録台数全体に占める比率はガソリン車が前年同月の51.1%から56.0%に高まる一方、ディーゼル車は47.1%から40.5%に低下した。ディーゼル車の販売減は、自動車触媒に使用されるプラチナの需要減への懸念が高まる材料である。一方、ガソリン車に使用されるパラジウムはこの日も高値を更新している。

きわめて強い非鉄

非鉄相場はまちまちだが、強いLME(ロンドン金属取引所)在庫は銅とニッケルが増加。最近の上昇で現物の持ち込みが見られている。アルミは反発。1900ドルでサポートされており、基調は維持されている。銅は小幅に反発したが、高値疲れの動きになりつつあり、現行水準を維持できるかを見極めることになる。ニッケルは上昇し、高値を更新している。亜鉛は反発し、鉛も続伸して高値を更新。この動きを見る限り、非鉄相場はきわめて強いといえる。

在庫減少で原油は反発

原油は反発。米国内の原油在庫が減少したことが材料視された。EIA(米エネルギー情報局)によると、7月28日までの週の原油在庫は前週比150万バレル減少。減少幅は市場予想の約半分にとどまったが、減少したことが材料視されたといえる。また、ガソリン需要は日量984万2,000バレルと過去最高を記録した。これがこの日の原油相場の上昇の背景だったとの指摘もある。また製油所の原油処理量は日量12万3,000バレル増加したことから、原油需要が増加していることが確認できる。この中身を見ると、需給バランスの改善期待が高まりやすいといえる。もっとも、米国内の産油量は前週から日量2万バレル増加しており、増加傾向は続いている。これに歯止めが掛かれば、さらに上昇に向かいやすくなると思われるが、現在の原油相場の水準では、産油量の増加ペースはいずれ鈍化しそうだ。

一方、ロシアのエネルギー省によると、7月の石油生産量は日量1,095万バレルと、3カ月連続でほぼ横ばいだった。OPEC(石油輸出国機構)との減産合意を順守しているといえる。OPECとロシアなど非加盟国は、2018年3月末まで減産を続けることで合意しているが、ロシアのノバク・エネルギー相は、7月は16年10月比で日量30万7,600バレルの減産を行ったとしている。これがしっかりと継続されれば、需給バランスは着実に改善するだろう。

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