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「金」は反発、「原油」は反落で50ドル割れ
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金」は反発、「原油」は反落で50ドル割れ

2017/8/2
・金は7週間ぶりの高値 ・非鉄は全体的に下落だが、底がたい ・原油安。OPEC産油量が前月比増
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金は7週間ぶりの高値

金相場は反発。直近高値を更新し、7週間ぶりの高値を付けた。米国の経済指標が低インフレを示す内容で、今後数カ月中にFRB(連邦準備制度理事会)が追加利上げを行うとの見方が後退したことから買いにつながった。インフレ指標の低迷で金利が上昇しづらいことから、ドル安基調が続いている。トランプ政権の不安定さもドル買いを避ける理由だ。
米国株高基調は続いているが、金のバリューは為替や金利の対比で決まっており、いまは上昇しやすい地合いにあるといえる。金相場は8月に安いことが多いが、今年は押し目がないまま上昇する可能性もあるだろう。年末までに1,300ドルの節目を超え、1,375ドル程度まで上昇する可能性は十分にある。
一方、最近はプラチナの将来的な需要の減少を懸念する声が聞かれる。フランスと英国の両政府が、大気汚染の緩和や温室効果ガスの削減を目指し、40年からガソリンやディーゼル燃料を使う自動車の販売を禁止する方針を表明したことがきっかけである。
また、ダイムラーが欧州で販売した300万台超のディーゼル車のリコールを実施すると発表したことも懸念されている。以前にフォルクスワーゲンが同様の排ガスに関する不正を行っていたことが明らかになったが、ダイムラー社にも同様の疑惑が持ち上がっており、ドイツの検察当局が捜査に乗り出している。そのため、今後の販売に影響が出る可能性が指摘されている。
プラチナはディーゼル車向けの排ガス触媒として使用されており、そのシェアは4割に上る。そのため、これらの懸念や問題はプラチナ相場にとってはネガティブ要因になる。仏・英政府が掲げるガソリン車やディーゼル車の販売禁止は40年であり、かなり先であることを考えると、現時点で材料視する必要があるのかとの疑問がある。また、次世代の自動車がEV(電気自動車)であれば、プラチナの使用量は減少する可能性がある一方で、燃料電池車となれば、電極にプラチナが使われることから、むしろ需要が増加するとの指摘もある。しかし、現状の次世代自動車は電気自動車が見込まれている。
市場はこのような材料を先取りして動く傾向があるものの、時期的にはまだかなり早いように感じられる。また、生産コストの問題もある。すべてのプラチナ需要がなくなるわけではなく、一定量は残る。その場合には、生産コストの問題も残る。ある程度の価格がないと生産できないことを考えれば、大きく値崩れすることも考えにくい。金との価格差で考えることは、従来から意味がないが、少なくとも生産コストを意識した水準では落ち着くはずであり、その水準を模索する動きが続くことになろう。
もっとも、ドル安となり、主要生産国の通貨である南ア・ランドが上昇すれば、ある程度の上昇は見込めるだろう。ただし、在庫がひっ迫しているとみられるパラジウムとの価格差は着実に縮小しそうである。ちなみに、パラジウムはこの日も高値を更新している。

非鉄は全体的に下落だが、底がたい

非鉄相場は軟調。ただし、LME(ロンドン金属取引所)在庫はこの日もすべての銘柄が減少した。
アルミは反落したが、1,900ドルは維持している。銅は下げたが上昇基調は維持されている。ニッケルも下げたが、長期トレンドで見事にサポートされており、強さは維持されている。亜鉛も下げてはいるが、崩れてはいない。鉛は上昇しており、強い動きを続けている。ドル安基調が続いていることや、中国の経済統計も悪くない。安値からようやく上昇に向かい始めたにすぎず、本格的な上昇相場はむしろこれからだろう。

原油安。OPEC産油量が前月比増

原油は大幅反落。2カ月ぶりの高値から急落した。テクニカル的に買われすぎだったことが、下げ幅を大きくした可能性がある。また、ロイターが前日に公表した7月のOPEC(石油輸出国機構)産油量が前月から増加したことが嫌気されたといえる。ただし、ロシアのエネルギー省は、7月の減産量が16年10月比で日量30万7600バレルだったとしている。API(米石油協会)が引け後に公表した7月28日までの週の米国内の原油在庫は前週比180万バレル増だった(市場予想は300万バレル減)。オクラホマ州クッシングの在庫は260万バレル増だった。ガソリン在庫は480万バレル減(市場予想は63万6000バレル減)。ディスティレート在庫は120万バレル減(市場予想は52万5000バレル減)。原油輸入量は日量83万バレル増の830万バレルだった。
この結果を受けて、時間外取引では下げている。もっとも、目先は買われすぎだったこともあり、調整が入りやすいだろう。47ドル台までの下落もあり得るが、48.65ドルあたりで下げ止まれば、調整は浅くて済むことになる。
一方、BPは米国でのシェール生産が拡大することから、18年の原油価格は45~55ドルで推移するとの見通しを示している。BPは、世界的な石油需要は年初こそ低調だったが、第2四半期に回復し、最終的に日量140~150万バレル増になると予想している。
世界的な需要は非常に強く、原油価格は現在の水準で底堅く推移するとみている。BPによると、上期の原油価格は平均で48ドル程度だったが、予想した水準では米国のシェール生産は拡大が可能で、実質的に上値を抑えるとしている。そのうえで、52~53ドルでは生産活動が上向き、45ドルに下落すると生産抑制が始まるとの見方を示している。

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