金は小幅安だか、売り進みにくい

金相場は小幅安。ドル安などを背景に7週間ぶりの高値を付けたが、その後は下落した。1,270ドルまで上昇していることや、米国の長期金利が小幅に上昇したこと、さらに今週発表される米国の重要経済指標の内容を見極めたいとする向きの手仕舞い売りなどが上値を押さえたものと思われる。ただし、高値圏を維持しており、強い状況はまったく変わっていない。

現在の金相場はドル安が支配しているといえる。ドルが対ユーロで下落しているが、それ以外の通貨に対しても下げており、金相場は上げやすい。さらに、米国の政治が混乱しており、これも心理的に金を売りづらくしているといえる。

また、北朝鮮情勢の不透明感など、地政学的リスクの台頭も金相場への関心を高めやすい。これらから、金市場にはきわめて強い追い風が吹いている。この基調がすぐに変わるとは考えにくく、金相場は高値での推移が続くことになるだろう。

銀相場も堅調さを維持し、17ドルに迫る上昇を見せている。プラチナも回復基調にある一方、パラジウムが900ドルに迫る上昇を見せており、高値を更新している。きわめて強い動きにある点に注目しておくべきであろう。

中国PMI好調で、非鉄は上昇

非鉄相場は堅調に推移。LME(ロンドン金属取引所)在庫はこの日もすべての銘柄が減少した。この日発表された中国の製造業PMI(購買担当者景況指数)が底堅い内容だったことから、非鉄は全面高の展開になった。アルミは1,910ドルのサポートを維持した。銅はさらに高値を更新し、一時6,400ドルを超える動きになった。ニッケルは下げたが、一時高値を更新しており、強い動きは維持されている。また亜鉛も2,790ドルのサポートを維持して反発し、鉛も続伸した。

銅が堅調に推移している状況はきわめて象徴的であり、今後も長期的な堅調地合いは続くだろう。中国の7月の製造業PMIは51.4と、前月の51.7から小幅に低下(市場予想は51.6だった)。政府主導のインフラ投資が建設部門を引き続き支えた一方で、中国製品に対する海外からの需要が軟化したものの、節目の50を12カ月連続で上回っている。新規受注は前月の53.1から52.8に低下した。

6月の製造業PMIの上昇を支えた輸出受注も7月は52.0から50.9に低下し、製造業の外需の減少が示された。輸入は51.1と、前月の51.2から小幅な低下にとどまり、内需の安定が示された。一方、建設部門は62.5で、前月の61.4から上昇しており、政府によるインフラ支出の拡大で底堅さが続いていることが示された。また、7月の非製造業PMIは54.5で、6月の54.9から低下した。

減産ムード復活で、原油50ドル台回復

原油は6日続伸。供給過剰懸念が後退する中、ユーロの上昇や米ガソリン相場の急伸が相場を押し上げている。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は5月24日以来の50ドル台回復となった。OPEC(石油輸出国機構)は加盟・非加盟国による専門家会合を8月7、8日にUAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ首長国で開くと発表。原油市場の再均衡化に向けて協議する方針を明らかにした。これを受けて、OPEC加盟・非加盟国が新たな減産に前向きとの観測が広がったことが買いを誘っている。

利益確定売りなどが出て、マイナス圏に沈む場面もあったが、その後は再びプラス圏に浮上し、50ドル台を回復している。徐々に強さが戻っていた印象だ。

一方で、トランプ政権の先行き不安などを背景にドル売り・ユーロ買いが進んでおり、ドル建て原油相場に割安感が生じていることも押し上げ要因となっている。これまで為替相場の動きを半ば無視して推移してきたが、ようやく反応し始めたといえるだろう。

さらに、ベネズエラで7月30日に実施された制憲議会議員選挙について、米国国務省が選挙結果を認めないとする声明を発表し、ベネズエラの石油業界を対象に制裁を検討していると報道されたことも、原油相場の支援材料になったとの指摘がある。いずれにしても、市場はようやく現状認識をし始めたといえる。遅きに失したが、一方で原油相場は多くの市場参加者の思惑とは違う方向に進み始めており、慌てている向きもあるだろう。そのため、売り方の買いが入りやすい地合いにあるともいえ、相場水準は一段と押し上げられてもおかしくない。

EIA(米国エネルギー情報局)によると、5月の米国内の原油生産量は日量917万バレルと、4月の911万バレルから5万9,000バレル増加し、16カ月ぶりの高水準となった。5月はテキサス州とメキシコ湾沖合での生産増が寄与した。テキサス州の生産は前月比7万8,000バレル増、ノースダコタ州は1万2,000バレル減だった。ただし、これらは5月の数値であり、すでに市場には織り込まれているといえる。ロイターによると、OPECの7月の産油量は前月比日量9万バレル増の3300万バレルと今年最高水準に達したもよう。減産を免除されたリビアの生産回復が進んだことが要因という。サウジアラビアとアンゴラの供給量が減少したことで、OPECの減産順守率は84%と、6月の77%を上回ったが、ここ2カ月はそれまでの90%超の水準を下回っている。

7月の増産幅が最も大きかったのはリビアで、日量100万バレルを超えている。ただし、11年の内戦開始以前の水準である160万バレルにはまだ達していない。リビアの増産で、今年加盟した赤道ギニアを除くOPEC加盟13カ国の供給量は日量3285万バレルと、当初設定した目標生産量を110万バレル上回っている。減産幅がもっとも大きかったのはアンゴラで、サウジアラビアは前月比日量5万バレル減だった。サウジの7月の減産量は目標値の日量48万6,000バレルを上回っており、サウジが懸命に減産を行っている様子がうかがえる。