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「金は下落、原油は続伸」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金は下落、原油は続伸」

2017/7/27
前日に付けた1カ月ぶりの高値水準から下げている。米国株高と長期金利の上昇が上値を抑えたといえる。
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金相場は下落。

一時は急伸し、1,260ドル台をつけたが、その後は急落した。ただし、1,250ドルの節目は維持した。FOMCの結果を受けて売りが出た格好だが、内容自体はドル安であり、金が売られるのは不思議な結果である。もっとも、米国株がドル安や好調な企業業績を受けて上昇しており、安全資産としての魅力が低下している点は否めない。また、金融市場ではトランプ政権の失政を無視し始めており、これも株高を誘発しやすく、金市場にはネガティブな材料になりやすい。ただし、FOMC声明では、物価動向に対しても警戒感が示されており、追加利上げ観測は後退している。

利上げが早期に実施されない可能性が示唆されたことから、今後はドル安基調がさらに強まる可能性があり、これ自体は金市場には相当のポジティブ要因である。

時間外取引では大きく上昇している。今後は1,267ドルを超えると1,300ドルを試す動きになる可能性がきわめて高い。

非鉄相場はきわめて堅調に推移。

LME在庫はニッケルが増加したが、それ以外は減少。

アルミは1,963ドルまで上昇したが、長い上ヒゲをつけて高値から下げている。

一方、銅は大幅続伸。一時15年5月以来の高値となる6,400ドルちょうどまで上昇したが、その後は高値から下げている。それでも強い動きにあることに変わりない。

上昇の背景には、中国が18年末から銅スクラップ輸入を禁止するとの報道で、銅地金の輸入が増加するとの見方がある。また、ドル安や需給ひっ迫見通しも相場の押し上げにつながったといえる。ただし、禁輸により影響を受ける輸入量は100万トン未満にとどまるとの指摘もある。

ニッケルは1万ドルを割り込んで引けた。チャートポイントとなる10,080ドルまで上昇したが、そこで見事に打たれており、目先の高値を付けた可能性がある。

亜鉛も高値から急落し、鉛も同様に高値から下げている。これらはいったん調整する可能性がある。ただし、堅調な地合いが崩れるようなことはないだろう。

原油は続伸。

8週間ぶりの高値を付けた。米国内の原油在庫が市場予想以上に減少したことで、供給過剰緩和への期待が高まった。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した21日までの週の米国内の原油在庫は前週比720万バレル減で、市場予想の260万バレル減を上回った。ガソリンやディスティレート在庫もそれぞれ100万バレル、180万バレル減少しており、相場を押し上げた。

米国の原油とガソリンの在庫は過去5年平均を上回っているが、徐々に減少してきており、これが解消されてくると市場もさすがに弱気一辺倒ではいられなくなるだろう。また、産油量は日量941万バレルとなり、前週から2万バレル減少している。

産油量も頭打ちとなれば、市場の懸念が一気に高まり、水準訂正が加速する可能性も十分にあるだろう。これに加え、市場ではベネズエラの政情不安を挙げる声もある。また、ナイジェリアの生産抑制やOPEC加盟・非加盟国の減産再延長の可能性などもあり、供給面はかなり調整が進んでいくだろう。一方で、需要は堅調であり、需給バランスの調整はいずれ明確になる。原油相場が現状の水準で推移していることはないだろう。

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