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「金は横ばい、原油は反発」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金は横ばい、原油は反発」

2017/7/25
ドルがやや上昇したことが上値を抑えている。米医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の頓挫危機や、トランプ大統領が勝利を収めた大統領選にロシア政府が介入していたとされる「ロシアゲート」疑惑など、トランプ政権に対する先行き不安がくすぶっており、安全資産としての金が買われやすい地合いにある。
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金相場はほぼ横ばい。

ドルがやや上昇したことが上値を抑えている。米医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の頓挫危機や、トランプ大統領が勝利を収めた大統領選にロシア政府が介入していたとされる「ロシアゲート」疑惑など、トランプ政権に対する先行き不安がくすぶっており、安全資産としての金が買われやすい地合いにある。ただし、ドルがユーロに対して買い戻されており、この日の金相場は上値が重かった。

市場では、25・26日開催のFOMCの結果待ちとなっており、今日・明日は動きづらくなるだろう。もっとも、節目の1,250ドルを維持しており、上昇基調も維持されている。

非鉄相場は堅調に推移。

LME在庫はすべての銘柄が減少した。アルミは1,900ドルを維持し、底堅さは維持されている。銅は続伸し、高値を更新した。ニッケルも9,760ドルまで上昇し、高値を更新。明らかに上値を試す動きにある。亜鉛も続伸して上昇基調に戻し始めている。鉛も続伸し、底値を確認したといえるだろう。

トランプ大統領の政権運営に対する懸念などからドルが軟調に推移していることが、ドル建てで取引される非鉄相場を支えている。それぞれ目先の底値から回復基調が鮮明であり、再び上値を試す動きに入ったと考えてよさそうである。

原油は反発。

サウジの輸出抑制と米石油サービス会社ハリバートンがシェールオイル掘削ブーム後退の見通しを示したことが材料視された。

ハリバートンは、米国の石油掘削リグ稼働数が年内は1,000基を上回るものの、中期的には約800から900基が持続可能な水準との見通しを示し、リグ稼働数に頭打ちの兆候が見られるとしている。また、OPECと非加盟産油国がロシアのサンクトペテルブルクで開催した共同閣僚監視委員会の結果も材料視された。

OPEC加盟国と非加盟の主要産油国は減産合意の順守状況を監視する共同閣僚級監視委員会(JMMC)で、減産合意の適用を免除されているナイジェリアの産油量に上限を設けることで合意すると共に、一部の産油国に対し減産合意の一段と厳格な順守を求めた。OPEC加盟・非加盟国は17年1月から18年3月末まで産油量を合計で日量180万バレル削減することで合意したが、ナイジェリアとリビアは内戦などの事情を抱えていたことから、減産合意の適用を免除されていた。

減産により原油価格は今年1月には58ドルを上回る水準を回復したが、世界的な原油在庫の縮小に時間がかかったことに加え、米国産シェールオイルの増産、ナイジェリアとリビアの増産などにより、原油価格は50ドル以下で低迷している。

このような状況の中でロシアのサンクトペテルブルクで開催された会合では、ナイジェリアが産油量を現在の日量約180万バレルから増加させないことに加え、将来的に減産を行うことで合意した。ただし、期限は設けずにナイジェリアの産油状況を向こう数週間見守るとした。

監視委員会はリビアについては、産油量の制限は見送った。リビアの産油量は当面は日量100万バレルを超えず、11年の内戦ぼっ発前の生産能力である日量140万~160万バレルを回復する公算は小さいためとしている。一方、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相が、サウジの原油輸出が8月は日量660万バレルと、前年を約100万バレル下回る水準に減少するとの見通しを示した。さらにファリハ・エネルギー相は、OPECおよび非OPEC加盟国は、必要であれば協調減産の期限を18年3月から延長することを支持すると表明した。

一方で、減産を終了する際には市場に衝撃を与えないよう、円滑な減産解除を目指す方針も示した。世界的な原油在庫は、減産により9,000万バレル減少したものの、先進国では5年平均をなお約2億5,000万バレル上回っている。一部のOPEC加盟国の減産合意の順守が十分でないことや、OPEC全体としての輸出が増加したことが需給改善を遅らせ、原油価格の下落につながっている。そのため、監視委員会は順守が十分でない国と協議を行い、順守率の引き上げの確約を得たとしており、今後は厳格な減産枠以下の生産の順守を求めることになる。一方、世界的な原油需要については、来年は日量140万~160万バレル増加するとの見通しを示している。

監視委員会はサウジアラビア、クウェート、ロシア、ベネズエラ、アルジェリア、オマーンで構成され、現在議長国を務めるクウェートは、ナイジェリアを含んだ特別会合を開き、市場で再均衡化の動きが見られない場合、減産合意を18年3月以降も延期する可能性を検討するとしている。これらから、下値を売りづらくなるものと思われ、徐々に水準を回復することになろう。

中国の6月のロシア産原油の輸入量は前年同月比27%増の日量127万バレルで、4カ月連続で最大の原油輸入相手国となった。これは過去最長の記録。ロシア産原油の輸入量は、過去最高だった5月の日量135万バレルからは減少した。輸入相手国別でロシアに次いで輸入量が大きかったのはアンゴラで、10.6%増の日量100万バレルだった。サウジアラビアからの輸入量は減少を続けており、6月は15.8%減の日量93万6,607バレルだった。6月の全体の原油輸入量は3,611万トン(日量879万バレル)で、2カ月連続で世界最大の原油輸入国だった。

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