金相場は続伸。

2カ月ぶり高値を付けた。堅調な需要見通しが支援材料になったほか、米国の追加利下げ観測が後退し、ドル安が進行したことも材料視された。

ドル指数が10カ月ぶりの安値をつけるなど、ドル建て金相場が割安になっている。また、トランプ大統領が公約した医療保険制度改革(オバマケア)代替案の早期成立が困難となったことで、トランプ政権が掲げる経済政策に懐疑的な見方が広がっており、これもドル安につながる一方、安全資産である金への資金シフトを促している可能性がある。

米共和党は議会で過半数を獲得しているにもかかわらず、オバマケア代替案に関しての上院可決が困難となっており、トランプ大統領の経済政策の実現がさらに難しくなるとの懸念はますます大きくなっている。この点は心理的に金を買いやすくするものであろう。

一方、トムソン・ロイター傘下の英貴金属調査会社GFMSのデータによると、6月のインドの金輸入は75トンと、前年の22.7トンから増加。17年上半期の金輸入は前年同期比161%増の514トンに達しており、これも需要面から金相場を押し上げたと考えられる。ただし、上半期のインドの金輸入の増加の背景には、7月から金に対する物品・サービス税率が1.2%から3%に引き上げられることが挙げられる。そのため、消費者が買いを急いだ可能性があり、7月以降の金買いが堅調かどうかを確認する必要があろう。もっとも、米国が利上げできないことや、ドル安傾向が続くこと、また心理面で金を安全資産として保有しておきたいとする投資家が世界的に少なくないことから、金需要は今後も堅調に推移するものと思われる。

インドや中国は総じて逆張りの買い手であり、価格が下げると買う傾向がある。金相場が下げない場合には、なかなか買ってこないが、一方でトレンドが明確に変わると思い切って買ってくることもある。

明確な押し目がない中で1,300ドルを超えて、ここがサポートになることがある程度分かる状況になれば、高値でも買ってくるだろう。

非鉄相場はおおむね堅調。

LME在庫はまちまちで、アルミ・銅・鉛は減少したが、ニッケルと亜鉛は増加した。基本的にはドル安が相場を支える動きだったが、これはあくまで目先的な話であり、本質的にはさらに上値を目指す展開になるとの見方は変わらない。

アルミは1,930ドルで推移し、基調は維持されている。銅も6,000ドルを維持した。ニッケルは続伸し、重要なチャートポイントだった9,700ドルを超えてきた。1万ドルの節目も十分に視野に入るところまで上げてきている。亜鉛は下げたが、2,765ドルを維持しており、トレンドも維持されている。鉛は下落し、2,280ドルのサポートを割り込んでおり、これを早期に回復できるかがポイントになろう。

原油は小幅反発。

方向感がない中でも堅調さは維持された。サウジアラビアは5月の原油輸出量が日量692万4,000バレルだったとし、前月の700万6,000バレルから減少したとしている。その一方で、中国の製油所の原油処理量が6月に過去2番目を記録するなど、需要の堅調さを示すデータもあり、今後はこれらが材料視されるかに注目が集まろう。ただし、基本的には供給過剰感は残っており、現物価格は先物価格を大きく下回っている。

OPEC主導の協調減産については、エクアドルが財政難を理由に取り組みをやめる方針を表明。エクアドルの動きが、財政が厳しい他の産油国を勢いづかせる可能性もあり、協調的な動きが崩壊するリスクもある。特にイラクがそのような行動に出る可能性があり、要注意であろう。

イラクは昨年11月の減産合意の条件について、同国石油相が批判を繰り返しており、今後の枠組みの崩壊リスクには敏感にならざるを得ない。もっとも、崩壊して増産し、安値で結果的に財政が破たんすれば、原油生産・供給が滞る可能性もある。このような結果になるにはかなり時間がかかるが、抜本的な原油相場の水準訂正には、むしろそのほうが良いのかもしれない。

一方、米石油協会(API)が引け後に公表した14日までの週の米国内の原油在庫は前週比160万バレル増だった。市場予想は320万バレル減だった。原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシングの在庫は60万8,000バレル増、ガソリン在庫は540万バレル減(市場予想は66万5,000バレル減)、ディスティレート在庫は290万バレル減(市場予想は120万バレル増)だった。