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ビットコイン急落。金続伸は、安全資産との期待か?
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

ビットコイン急落。金続伸は、安全資産との期待か?

2017/12/25
・ビットコイン急落で金相場押し上げの可能性。
・非鉄相場はほぼ続伸。
・原油は生産量調整で価格は上昇。
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ビットコイン急落で金相場押し上げの可能性

 金相場は続伸。米税制改革法案の議会通過を受けて、米国債利回りが9カ月ぶりの高水準に上昇したものの、ドルの上値が重いことが金相場を支えている。また、短期筋でショートポジションを保有している向きが、クリスマス休暇前のポジション調整で買い戻したことも押し上げているといえる。

 一方、仮想通貨ビットコインが急落したことで「質への逃避」による買いが入った可能性が指摘されている。ビットコインは17日につけた1万9,666ドルから急落し、22日には一時1万1,159ドルまで下げる場面があった。その後も下げ基調が続いている。17日から時価総額の3分の1が失われた計算である。この動きは安全資産である金相場を押し上げる可能性がある。

 11月のPCE(米個人消費支出)物価指数は前年同月比1.8%上昇と、前月の1.6%上昇から2カ月ぶりに伸びが加速。伸び幅は3月の1.8%以来の大きさだったが、FRB(米連邦準備制度理事会)が物価安定の目標とする2%は9カ月連続で下回っている。

 世界最大のETF(金上場投資信託)であるSPDRゴールドトラストの保有高は、12月15日の844.29トンから19日には836.02トンに減少したが、22日には837.50トンに小幅に回復した。米国株が堅調に推移する中、投資家は保有高を減らしている様子が確認できる。COMEX金先物市場での大口投機筋のポジションは、12月19日時点で11万3,795枚の買い越しとなり、前週から6,727枚増加。買いポジションは4,439枚減少したが、売りポジションが1万1,166枚減少した。

 一部の投機筋は戻り局面で買いポジションを減らしているが、一方で値戻りが早いことから、一部は売りポジションの買戻しを余儀なくされているといえる。一段高になれば、この動きが加速し、さらに金相場が押し上げられる可能性がある。

 投機筋は依然として大量の売りポジションを保有している。そのため、下落基調に入った基点が1,275ドルから1,280ドルの水準を明確に上抜けると、損失覚悟の買い戻しが入り、急伸につながる可能性がある。その場合には1,300ドル前後にまで上昇することもあり得るだろう。

 米国の物価指数は2カ月ぶりに伸びが加速したが、FRBが積極的な利上げを実施するにはまだ水準は低く、ドル高が抑制されることは金相場にはポジティブな要因とりそうだ。FOMC(米連邦公開市場委員会)では、来年は3回の利上げが予想されているが、これ以上の回数を想定するような発言が聞かれなければ、金相場は下値のしっかりとした動きが続くものと思われる。

 また、原油相場が堅調に推移しており、これがインフレ指標を押し上げた場合には、インフレヘッジとしての金の魅力が高まる可能性がある。さらに、富裕層を中心にリスク資産である株式などへの投資と同時に安全資産である金を買う投資家も少なくないことから、これらの投資家層の買いが下値を支えると考えられる。

 

非鉄相場はほぼ続伸

 非鉄相場は総じて堅調に推移。LME(ロンドン金属取引所)在庫はニッケルと鉛が増加し、その他のメタルは減少した。アルミはさらに続伸し、一時2,200ドルを超えた。連休を前にショート筋の買い戻しが入った可能性がある。

 銅も続伸。7,136ドルまで上昇し、終値ベースで高値を更新した。やはり7,000ドルを固めてきた。ニッケルも続伸し、1万2,000ドル台を維持。強い動きを維持している。

 亜鉛も続伸。直近高値を超えてきた。鉛は続落。2,495ドルのサポートを割り込んでおり、やや懸念される値動きである。もっとも、2,450ドルを維持できれば、基調は維持されると考える。

 

原油は生産量調整で価格は上昇

 原油は続伸。クリスマス連休を控えて利益確定の売りが出た後は、安値拾いの買いが下値を支えたもよう。取引は薄商いだったが、安値を売る動きも少ないといえる。綺麗な上昇トレンドで引けており、クリスマス休暇明けには高値更新となる可能性はもあるだろう。 

 市場ではOPEC(石油輸出国機構)が主導する協調減産により、世界的な需給均衡化への期待が依然として原油相場を支えているといえる。また、米国内の石油掘削リグ稼働数が前週比変わらずの747基にとどまったことも、相場の下支えになるだろう。原油相場の回復に伴い、シェールオイルの増産傾向が強まっているものの、先物市場での売りヘッジがワークしない状況は変わっておらず、新規の増産は困難な状況にある。産油量の伸び悩みが確認されれば、年末時点で60ドルを突破して、新たな領域に入ってもまったくおかしくない。

※12月26日(火)の「コモディティ デイリーコメント」は欧米市場が休場のため、休載します。

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