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「金は下落、原油は続伸、原油の戻り余地を確認する」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金は下落、原油は続伸、原油の戻り余地を確認する」

2017/7/14
米長期金利の上昇を受けたドル高や世界的に株式が買われたことが背景にある。イエレンFRB議長の発言を受けてリスク回避姿勢が後退し、MSCI世界指数は過去1カ月以内で4度目の最高値を付けるなど、世界的に株価は堅調に推移している。
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金相場は小幅下落。

米長期金利の上昇を受けたドル高や世界的に株式が買われたことが背景にある。イエレンFRB議長の発言を受けてリスク回避姿勢が後退し、MSCI世界指数は過去1カ月以内で4度目の最高値を付けるなど、世界的に株価は堅調に推移している。ダウ平均株価も2日連続で過去最高値を更新しており、イエレン証言を受けて市場には安心感が広がりつつある。また、6月の中国貿易統計が市場予想よりも堅調な内容だったこともドルを押し上げている。

ドル高はドル建てで取引される金には重石になるが、その割に下げていない印象である。依然として反発基調は続いており、今日の6月の米CPIの内容次第では再び上向く可能性は十分にある。

米国のインフレ基調が弱く、利上げの根拠に乏しい状況が続いている。このような状況で、米国金利の上昇ペースは低下せざるを得ず、これが金相場を支える構図は変わらないだろう。前回のFOMC以降のFRB関係者による9月の利上げ織り込み工作は失敗に終わったといってよいだろう。そうなると、金相場が現状の水準を大きく切り下げるとの見方はむしろ難しいだろう。

非鉄相場はまちまちだった。

LME在庫はすべて減少した。アルミは急反発。中国の生産抑制策に関する思惑から買われている。1,900ドル割れでは買いが入りやすいことが確認された。やはり下値は堅い。銅はチリの鉱山労働者のスト決議などが意識されたが下げている。もっとも、5,800ドルを維持しており、堅調さは変わっていない。ニッケルは下値を固めつつあるように見える。亜鉛は下げたが下値は2,800前後で堅く、鉛は大幅に下げたが2,300ドル絡みの水準であり、崩れてはいない。

このように、非鉄相場は底堅さが維持されているといえる。中国の6月の銅輸入は39万トンで前月から変わらずとなり、前年同月比では7%減だった。1~6月累計では前年同期比18.4%減の223万トンだった。

中国では今年に入ってから銅地金の輸入が減っている。ドル建て融資の制限や銅価格の上昇を受けて、大量に流入したより安価な金属くずに買い手の需要がシフトしているという。

一方、6月の銅精鉱(コンセントレート)と銅鉱石の輸入は前月比23%増の141万トンで、海外鉱山での生産障害を反映して大幅に落ち込んだ5月から持ち直した。また、未加工アルミとアルミ製品の輸出は46万トンで、前月と変わらず。

中国の1~6月の対外直接投資額(金融除く)は前年同期比45.8%減の481億9,000万ドルと大幅に減少した。人民元安を阻止するための資金流出規制が影響した模様である。対外投資案件の審査強化などによって、不動産やホテル向けなどの主要投資先への案件に制限が掛かった。また、中国企業の爆買いの冷え込みで、世界経済に一定の影響が及ぶ可能性も指摘されている。

1~6月の対中直接投資は人民元ベースで0.1%減の4,415億4,000万元で、日本からは5.4%増加した。

原油は4日続伸。

OPEC増産懸念よりも中国の旺盛な需要が材料視されたもよう。国際エネルギー機関(IEA)はこの日発表した月報で、OPECの主要輸出国の増産を指摘し、供給過剰が予想より長びくとの認識を示した。世界の石油需要は2大需要国の米国と中国を中心に増加傾向を示しているという。

中国の今年上半期の原油輸入量は前年同期比13.8%増の日量855万バレルと、米国を抜いて世界一となった。中国の石油需要の伸びはきわめて強く、このペースで需要が伸びれば、世界の石油供給の過剰感は確実に緩和される。実際には予想以上に均衡に時間がかかっているが、これも時間の問題であろう。

先進国の在庫は5月に小幅減少したものの、引き続き高水準にある。IEAは、OECD諸国の石油在庫は依然として5年平均を上回っているとしている。これが解消に向かえば、市場の考えも変わってくるだろう。

一方、国際エネルギー機関(IEA)は、OPECの6月の減産順守率が78%と、過去6カ月で最低だったとの報告書をまとめた。5月は95%だった。それによると、アルジェリア、エクアドル、ガボン、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)、ベネズエラが生産協定を上回る原油を生産し、市場の均衡回復に遅れが生じているとした。

減産を厳格に順守しているのはサウジアラビア、クウェート、カタール、アンゴラのみとなっている。IEAは「需給均衡ペースに疑問を投げかける要因が毎月生じている」とし、リビアとナイジェリアの原油生産が劇的に回復したことと、OPECの減産順守率が低下したことを挙げている。

OPEC産原油の需要は17年を通じて着実に拡大し、第4四半期には日量3,360万バレルに達する見通しだが、これはOPECの6月の生産量を日量100万バレル上回る水準である。そのため、IEAは「OPECが減産を厳格に順守すれば、リビアとナイジェリアの生産がさらに回復しても、在庫は大幅に減少する」との見方を示している。

一方、ロイターの報道によると、サウジアラビアの8月の原油輸出は日量60万バレル超の削減となる見通しである。OPECによる減産義務を守り、夏季の国内消費量の増加に対して均衡をとることが目的とみられている。

8月の輸出量は日量約660万バレルと、年初来で最低水準になるという。8月のアジア向け輸出は日量約20万バレル減の350万バレル、欧州向けは約7万バレル減の52万バレルの見通し。また、石油メジャー向けは約20万バレル減の78万バレルで、米国向けは80万バレルを下回る見込みという。

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