米株価は不安定。だが金は2カ月ぶりの安値で推移

 金相場は小幅下落。2カ月ぶりの安値近辺で推移している。

 米税制改革法案の進展やつなぎ予算の延長措置が間に合わず、政府機関が閉鎖される可能性が浮上しているが、これが金相場を押し上げるまでには至っていない。

 トランプ大統領はイスラエルやパレスチナ、アラブ諸国の首脳と電話会談を行い、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館をテルアビブから移転する意向を伝達。これにアラブ諸国が一斉に反発し、中東の地政学的リスクの高まりが意識されたことで、米国債に買いが入り、長期金利が低下。一方で株価も不安定な動きになっているが、これも金市場ではあまり材料視されていないようである。それだけ、今の金市場の地合いは良くないということだろう。

 12~13日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げはほぼ確実だが、これも金相場の圧迫要因になっている可能性がある。目先は1,260ドルを維持できるかに注目したい。維持されれば、再び反発に向かうことになろう。

 

非鉄は総じて軟調

 非鉄相場は総じて軟調。LME(ロンドン金属取引所)在庫は銅とニッケルが増加した。全般的に下げ圧力が強まっている。アルミは続落で、2,050ドルを割り込んだ。節目の2,000ドルで下げ止まるかを確認したい。銅は辛うじて6,530ドルの重要なサポートで下げ止まっている。これを割り込むと、6,200ドル程度までの下げになるだけに、この水準で下げ止まりが確認できるかはきわめて重要である。ニッケルも続落で、1万900ドルのサポートを割り込んだ。こうなると、1万400ドル近辺まで下げる可能性がある。すぐに1万900ドルを回復できるかを確認したい。

 亜鉛も続落し、3,090ドルを割り込んだことで、3,040ドルの最重要サポートで下げ止まるか確認したいところ。鉛は反発し、上昇に転じている。鉛だけは違う動きをすることがあり、これがきっかけで他の銘柄も戻すことが少なくない。いずれにしても、今の水準は長期的に見れば安いといえそうだ。

 

原油は2カ月ぶりの下げ幅に

 原油は大幅安。1日当たりでは約2カ月ぶりの下げ幅となった。

 EIA(米エネルギー情報局)が発表した石油在庫統計で、石油製品庫が急増したことで、需要の減退懸念が強まったことが売りにつながった。EIA統計では、原油在庫が前週比561万バレル減、オクラホマ州クッシングの原油在庫は275万バレル減だった。ガソリン在庫は678万バレル増、ディスティレート在庫は166万バレル増だった。製油所処理量は日量19万バレル増、原油輸入は日量7万バレル減。

 一方、米国内の産油量は日量971万バレルと大幅に増加した。投機筋が大量に買ってきたこともあり、調整が入りやすいと言える。重要なサポートの57ドルを割り込んだため、当面は下値模索の動きになる。54ドルまでの下げは十分にあり得るが、それ以下は売られすぎだろう。米国の産油量の増加は驚きだが、現在の原油価格の水準で採算が合う生産者が少なからずいるという証左だ。しかし、今の先物価格の水準では、将来の価格をヘッジすることはできない。この辺りが最終的には下支えになってくるだろう。