米国経済見通しから、金は反落

 金相場は反落。米上院が税制改革法案を可決し、ドルが上昇したことを受けて売りが出た。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ観測も上値を押さえていると考えられる。米国の減税が経済成長を後押しするとの期待や成長でインフレが加速するとの見方が強まっており、これが材料となっている。

 12~13日開催のFOMCでは追加利上げが決定される見通しだが、市場ではおおむね織り込まれている。金市場への影響は限定的であり、少なくとも上昇する要因ではない。

 米上院は2日に税制改革法案を可決。トランプ米大統領が掲げる法人減税実現に一段と近づいているが、一方で下院とのすり合わせに時間がかかるとの見方もあり、これが金相場を支える可能性がある。もっとも、米利上げペースが速いものにならなければ、金市場への利上げの影響は軽微だろう。

 

非鉄は総じて上昇

 非鉄相場は総じて上昇。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄で減少した。

 アルミは反落したが、2,050ドルを維持している。ただし、2,085ドルを超えないと上昇に向かうのは難しい。銅も反落し、6,840ドルの上値を超えられていない。6,770ドルのサポートとどちらに抜けるかを確認することになる。ニッケルは小幅に上昇したが、1万1,500ドルを明確に超えるかを確認したい。超えると上昇に弾みがつくだろう。

 亜鉛は急反落。ただし、3,175ドルを維持しており、反発の可能性は残っている。鉛も急反落しており、前日の大幅高の反動的な動きにある。とはいえ、2,475ドルを維持できれば、上昇に向かう可能性は残りそうだ。

 まだ非鉄相場は不安定だが、米国株が再び上昇に向かえば、リスク許容度の拡大が非鉄相場を押し上げるだろう。

 

利食い売りで、原油は反落

 原油は反落。米国での増産の兆しが意識される中、利食い売りが出た。ただし、OPEC(石油輸出国機構)と非加盟産油国が協調減産の延長で合意していることもあり、基調は崩れていない。上値を追いきれないのは、市場が過去最高に迫る米国の原油生産量を注視しているからだろう。米国内の石油掘削リグ稼働数も増加傾向にあり、これも将来の増産を想起させている。

 しかし、OPECと非加盟産油国の減産延長は、世界の石油在庫は着実に減少させるもの。そのトレンドを市場はいまだに過小評価しているといえるだろう。OPEC加盟国の11月の生産量は前月比30万バレル減の日量3,248万バレルで、今年5月以来の低水準だった。アンゴラ、イラク、ナイジェリア、ベネズエラなどの減少が目立った。

 減産合意の順守率は112%と、前月の92%から急上昇。エクアドル、ガボン、UAE(アラブ首長国連邦)を除くすべての加盟国が順守目標を超えた。協調減産に参加した産油国が減産に本腰を入れてきたといえる。生産量が最も減少したのはアンゴラで日量10万バレル減。輸出は1年1カ月ぶりの低水準となった。過去数カ月は保守点検が輸出の抑制要因となっているもよう。

 次に減少が大きかったのはイラクで、5万バレル減だった。クルド自治政府側が実効支配していた北部の油田地帯キルクークをイラク軍が10月中旬に奪還して以降、同地域での生産と輸出は減少が続いている。サウジアラビアは同3万バレル減だった。