株高に同調する金

 金相場は下落。米国株の高値更新や堅調な米GDP(国内総生産)統計などを背景に、投資家のリスク選好の動きが強まる中、安全資産である金には重しとなっている。この結果、11月は月間ベースでは12年ぶりとなる狭いレンジでの取引となった。

 米国の景気指標は引き続き堅調であり、投資家は株式への資金移動を進めている可能性が高いものの、それでも金相場は下げていない。12月の米利上げが織り込まれる中、金利は底堅く推移しているものの、ユーロ/ドルが堅調であることがドル建て金相場を支えている面があるだろう。

 いずれにしても、現在の金融市場の環境において、レンジ下限である1,270ドル前後の水準を維持しているところに、金相場の底堅さを確認できる。

 世界の株式市場は13カ月連続の上昇で11月の取引を終えたが、それでも金相場の堅調さが続いていることを理解しておく必要があるだろう。

 

非鉄は上昇傾向

 非鉄相場は総じて上昇。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄で減少した。

 アルミは前日の急落からさらに下げている。2,050ドルのサポートを割り込んでおり、これを早期に回復できるかに注目することになる。明確に割り込むと、2,000ドルを試すことになるだろう。

 銅は下げ渋った。重要な節目の6,770ドルにあり、これを維持して、反発となるかを確認することになる。ニッケルは反落し、サポートの1万1,200ドルを割り込んだ。アルミと同じようなパターンにあり、早期に回復できるかがポイントである。これを割り込んで、1万850ドルまでの下げもある可能性はあるが、現在の水準ではさすがに下げ止まるとみている。

 亜鉛は横ばいでの推移。辛うじて下げ渋っているが、やや上値が重い。3,080ドルまでの下げも視野に入れておきたい。鉛は続伸。2,420ドルのサポートを維持して反発しており、2,470ドルを明確に超えるかがポイントになる。

 いまは全般的に厳しい環境だが、長期的に見れば、上昇過程での一時的な休憩に過ぎないと考えている。

 

OPEC加盟・非加盟国の減産延長確定し、原油は反発

 原油は反発。開催されたOPEC(石油輸出国機構)加盟国とロシアなどの非加盟産油国は、現行の協調減産を2018年末まで延長することで合意。さらに原油相場が過熱した場合には、前倒しで減産措置を解除する可能性を示したことが好感された。また、これまで国内事情により減産措置の実施を免除されてきたナイジェリアとリビアにも、今回、生産上限が適用されることになったことも、買い材料となったといえる。

 OPECの声明では、両国が来年の産油量を今年の水準を超えないことを明記した。これはきわめて意味のある決定であり、市場にポジティブなインパクトを与えるものである。市場では、減産延長がすでに相場に織り込まれていたものの、この新しい材料が加わったことが相場を支えたといえるだろう。

 一方、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、来年6月に開催する次回OPEC会合で減産の順守状況を精査するとしている。イランやリビア、ロシアの産油量が注視されることになりそうである。現在の歴史的な協調減産は今年1月から日量180万バレル規模でスタートした。その効果で原油相場は一時の低迷から持ち直しているが、今後の産油国の動向が注目されていた。

 サウジのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は「われわれは一致団結している」とし、現在の取り組みが一枚岩で進んでいることを強調。ただし、原油価格がさらに上昇すれば、米国でシェールオイルの増産が進み、供給過剰を招くことで原油相場の上値が抑制される可能性は否定できない。このため会合では、市場の状況次第で来年6月に減産体制の見直しを検討する方針でも一致している。その場合に減産枠のさらなる拡大が検討されることになる。

 一部の市場は米国による原油輸出で奪われることになるが、それでも価格重視の姿勢を貫くことが、いまのOPEC加盟・非加盟国の取り組みでは最優先事項になるだろう。

 今回の決定で材料が出尽くしたことにはならず、原油相場が下げていないことは非常に大きな意味がある。57ドルを維持し、57.60ドルを上抜ければ、上昇基調が再び強まることになり、年内の60ドル台の大台入りも十分に視野に入ってくるだろう。