利益確定売りで金は下落

 金相場は下落。週末を控えた利益確定の売りが出た。

 株価の上昇もリスク選好の高まりにつながり、金相場の上値を押さえたと言える。

 今はレンジ内の動きが続いているが、下値は1,270ドル台で堅い動き。したがって、1,300ドルを明確に超えると、強い動きになるものと思われる。

 12月の米利上げはすでに完全に織り込まれており、市場の関心は来年の利上げペースに移ることになるだろう。しかし、インフレ率の上昇が抑制されている中では、利上げペースがゆっくりとしたものになる可能性が高く、これが株価の下値を支える一方、金相場にも売りが出づらくなるだろう。

 米国の主要株式指数が軒並み過去最高値を付ける中でも金相場が上昇しているところに、いまの金相場の強さが確認できる。投資家は安全資産である金を保有しておきたいと考える一方で、金利が上がらないことで理論的にも金相場は下げにくく、今後も堅調に推移するものと思われる。

 ただし、米国の2年債利回りが9年ぶりの水準に上昇するなど、短期金利の上昇の動きには注意が必要だ。FRB(米連邦準備制度理事会)が調整する金利は短期金利であり、2年債利回りが上昇すると、金利上昇を抑制するために利上げを行う可能性がある。その場合には、金相場の上値が押さえられる可能性がある。

 また、原油価格が上昇しており、これが連動性の高い米消費者物価を引き上げる可能性がある。この場合、利上げ圧力が高まる可能性がある一方で、インフレヘッジとしての金の魅力が高まることが想定される。また、11月から2月は金相場のパフォーマンスが高い時期でもあり、上昇の可能性は十分にある。その方向に向かい始めるのが今週になると考えている。

 

今週は銅を中心に強い動きとなるか

 非鉄相場は総じて堅調。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。

 アルミは続伸。2,135ドルを超えると、再び2,200ドルを目指す展開になるだろう。銅も続伸。再び7,000ドルを超えてきた。やはり強い。これで高値更新の可能性も出てくるだろう。ニッケルも上げてきた。1万2,150ドルを超えるとショートカバーなども入りやすく、上昇に拍車がかかるだろう。亜鉛は小動きだが、高値を維持している。鉛は反発した。これで上値を試しやすくなったといえる。

 30日には中国の製造業PMI(購買担当者景況指数)の発表がある。OPEC(石油輸出国機構)総会もあり、原油高などにつながれば、銅を中心に非鉄相場はさらに上値を切り上げることになりそうである。今週は強い動きを想定している。

 

原油高続くが、今週の相場の動きに要注意

 原油は大幅続伸。米感謝祭明けの市場では、カナダと米国を結ぶパイプラインが引き続き閉鎖され、主要な備蓄施設への供給が減るとの観測が相場上昇につながった。

 カナダのパイプライン会社トランスカナダのキーストーン・パイプライン(輸送量=日量59万バレル)は、米サウスダコタ州での原油漏れ事故を受けて16日に操業を停止。操業再開のめどは不明だが、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングへ大量に輸送しているため、同パイプラインの操業停止は在庫の減少につながるとみられている。

 一方、OPECとロシアが協調減産を2018年末まで延長することで大枠合意と報じられた。ロシアのノバク・エネルギー相は「石油市場の再均衡させる目標はまだ完全な達成を見ておらず、誰もが減産延長に賛成だ。ロシアも提案を支持する。現在はさまざまな選択肢が検討されており、詳細について協議していく」としている。

 OPECとロシアの動向は原油相場を押し上げるため、今年1月から協調減産を実施。5月には減産期間を2018年3月まで9カ月間延長することでも合意した。30日にはウィーンで会合を開き、2018年末まで9カ月間の再延長を議論する見通しだが、市場はこれを織り込みつつある。したがって、30日まで原油相場は上昇しやすいが、その後は「噂で買って、真実で売る」という形になり、いったんピークを付ける可能性もある。

 WTI原油が節目の60ドルに近づいていることもあり、手仕舞い売りが出やすいともいえる。そのような動きになるか、今週は重要な週になりそうである。

 一方、サウジアラビア当局が汚職容疑で拘束した約200人の王族や実業家について、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は財産放棄と引き換えに釈放することに大半が同意していると明らかにした。不正に蓄えられた財産のうち、最終的に1,000億ドル前後がこうした取引により回収されるとしている。

 また、捜査の過程で、国内で2,000超の銀行口座が凍結され、経済に悪影響が及びかねないとの懸念が出ている。しかし、ムハンマド氏は「専門家を起用し、企業破綻が生じないよう注意を払っている」という。また、ムハンマド氏は自らの権力を強める目的で王族らを拘束したのではないかとの見方については、「拘束されている有力者は、以前から同氏と改革に対し忠誠を表明している」と指摘。これを否定している。

※11月28日(火)、29日(水)の「コモディティ デイリーコメント」は休載します。