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「金、原油ともに続伸、ドル安が押し上げ要因」
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

「金、原油ともに続伸、ドル安が押し上げ要因」

2017/7/13
4カ月ぶりの安値を付けた後の上昇基調は続いている。イエレンFRB議長の議会証言を受けて、年内の利上げ観測が後退したことからドル高基調が転換し、これが金相場を押し上げた。
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金相場は上昇。

4カ月ぶりの安値を付けた後の上昇基調は続いている。イエレンFRB議長の議会証言を受けて、年内の利上げ観測が後退したことからドル高基調が転換し、これが金相場を押し上げた。イエレン議長は議会証言で、「現在の予想に基づくと、経済活動を促進も阻害もしない中立水準に到達するまでに、それほど大幅に利上げする必要はない」と発言。この発言でドルや米国債利回りが下落したことが、金相場を押し上げた。

市場ではこれまで、利上げとFRBが保有する資産圧縮が早期に進むとの見方が主流だった。FRB関係者が、これらの可能性を示唆していたことが背景にあるが、実際に市場での利上げ確率が上昇せず、利上げが織り込まれなかったことで、イエレン議長がギブアップしたといえるだろう。こうなると、利上げの時期は先送りされ、ドル高基調は一服する。

金相場は再び上向くことになるだろう。まずは1,235ドルを目指す展開が想定される。

非鉄相場はまちまち。

LME在庫はまちまちで、アルミとニッケルは大幅増だった。アルミは反落し、節目の1,900ドルを割り込んだ。これ以上の下落となれば、基調が崩れる可能性がある、その場合には、1,850ドル程度までの下げになるだろう。銅は続伸し、5,900ドルを回復。チリの鉱山労働者のストライキ決議が引き続き材料視されており、供給不安が材料視されている。ニッケルは続伸している。やはり、9,000ドル以下は買い場になっている感がある。亜鉛は在庫の減少を受けて急反発し、3月下旬以来の高値を付ける場面もあった。鉛も同様に急伸する場面があった。アルミ以外はしっかりしており、次の展開をにらんだ展開にあるといえるだろう。

世界経済は好調で、中国経済も不安定ながらなんとか持ち直している。過度な懸念は禁物であろう。

原油は続伸。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した7日までの間の米国内の原油在庫が前週比760万バレル減と、10カ月ぶりの大幅な減少となり、減少幅が市場予想の290万バレルを大幅に上回ったことが好感された。またガソリン在庫も160万バレル減と、市場予想の110万バレル増に反して減少した。それでも、市場では依然として弱気な見方が多い。

米国ガソリン需要は伸び悩んでおり、ガソリン在庫が5年平均を上回っていることを指摘する向きがある。また、OPECが来年の供給過剰を示唆している点も相場の重石になる可能性がある。その結果、需給バランス改善が進まないとの見方もある。

OPECは公表した月報で、18年の世界のOPEC産原油への需要が17年に比べて日量6万バレル減の3,220万バレルになるとの見通しを示している。米国のシェールオイルの生産増や他の産油国の増産を理由に挙げており、OPEC主導の協調減産にもかかわらず、18年も原油の供給過剰が続く可能性を示唆した。OPEC加盟国の6月の産油量が日量39万3,000バレル増の3,261万1,000バレルとなり、17・18年の世界需要見通しを上回ったとしている。協調減産の対象となっていないナイジェリアとリビアが増産したことが主因であり、こうした状況が持続すれば、原油の供給過剰解消に向けた取り組みが阻害される可能性が高まるだろう。こうなると、両国も減産対象国に組み込むことに関する議論が高まる可能性があるだろう。

一方、ロイターの試算では、減産合意の6月の順守率は96%となった。5月の100%超は下回ったものの、過去のOPECの順守率と比較すれば、相当の高水準であることは間違いない。バルキンド事務局長は「加盟国が非常に高い順守率を維持していることに満足している」としている。

OPEC月報によると、6月のサウジアラビアの産油量は5万1,300バレル増の日量1,007万バレルと、目標をやや上回る水準となった。減産を免除されたリビアが12万7,000バレル増、ナイジェリアが9万6,700バレル増と伸びたほか、アンゴラが6万6,000バレル増、イランが6万0,600バレル増と、それぞれ生産を拡大した。

OPECの推計では、18年のOPEC非加盟国による供給量は日量114万バレル増加する見通しで、今年の伸びの80万バレルを上回ることが予想されている。米国に加え、カナダとブラジルも増産する見込みである。一方、OPECは18年の世界の石油需要は日量126万バレル増加すると見込んでいる。

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