金相場は上昇。

前日に約4カ月ぶり安値を付けたが、この日は買い戻しが先行した。トランプ大統領の長男が、ロシアの検察高官から昨年の大統領選挙時に、クリントン民主党候補に打撃となる情報提供を持ち掛けられたとする電子メールを公開。上昇していた米国株とドルが下落に転じたことが材料視された。最近の中銀の緩和策解除に向けた地ならし的な発言で、ドルが上昇し、金利も上昇していたが、この日はやや落ち着いた動きになっている。しかし、これらの動きもあまりに急であり、市場がやや先走っている感があると思われる。

一方で米利上げ確率が全く上がっておらず、市場の懸念は杞憂に終わるだろう。その結果、金相場は徐々に水準を取り戻していくことになるだろう。

一方で、安値ではインドや中国などの実需筋の買いも期待できる。長期的な上昇基調は変わらないだろう。また、仮想通貨と金とのリンクの話が今後強まる可能性がある。これが金相場の本質的かつ長期的な上昇につながる可能性もある。

もっとも、目先はイエレンFRB議長の議会証言の内容に注目が集まろう。イエレン議長は9月利上げを織り込ませようとするだろうが、昨年に続いて失敗に終わると考えられる。その場合には、米長期金利が低下し、ドルが売られることで、金相場が上昇することが想定される。

一方、田中貴金属によると、1~6月の金地金販売量が前年同期比41.2%減の8,766キログラムだった。欧米の金融引き締め観測で上値が抑えられた一方、地政学リスクによる先行き不透明感が下支えとなったが、円建て金価格の値動きは乏しく、積極的な売買が手控えられたことが背景にある。買い取り量は10.1%増の1万0,347キログラムだった。プラチナは販売量が52.7%減の4,068キログラム、買い取り量が53.2%増の2,233キログラムだった。プラチナ価格の上値をあきらめた買い手が投げ売りを出している可能性がある。

非鉄相場は堅調に推移。

LME在庫はすべてのメタルで減少している。アルミは先日に急落したが、この日は辛うじて1,900ドルを回復。何とか下げ止まっている印象である。銅は反発。チリの鉱山労働者のストライキ決議や在庫の増加一服が材料視されている。ニッケルも大幅高となり、9,175ドルまで値を戻している。中国の鉄鋼価格上昇を受けて、ステンレス向け需要の拡大に期待感が広がったもよう。再び上向き基調になっており、この基調が続くかに注目したい。亜鉛は高値を更新し、鉛も一時高値を更新する動きがあった。このように、非鉄相場は徐々に下値を固めながら上値を試す動きに入りつつあると考える。

一方、中国の6月の新車販売台数は前年同月比4.5%増の217万台だった。前年水準を上回ったのは3カ月ぶり。5月は0.1%減、4月は2.2%減だった。1~6月の販売は前年同期比3.8%増の1,340万台。年初には今年の販売台数は前年比5%増と予想されていたが、小型車減税の縮小などを受けて、現時点では16年の13.7%から伸びが鈍化する見通しとなっている。また、6月の販売増は、一部メーカーによる大幅値引きが影響したとの指摘もある。販売価格も低下しているもようで、自動車メーカーの競争が激化しているといえる。

原油は続伸。

米エネルギー情報局(EIA)が発表した短期エネルギー見通しや、欧州の石油製品在庫の減少が材料視された。EIAの短期エネルギー見通しでは、18年の米国内の産油量の伸びを前回予想から下方修正した。また欧州の石油調査機関ユーロイルストックは、欧州の製油業者の原油調達量は6月に増加した一方で、ディーゼル油など石油製品の在庫が減少したとしている。世界的に需要は想定以上に堅調であり、これがヒーティングオイル相場に好影響を与えており、クラックスプレッドが拡大している。

サウジアラビアの6月の産油量は日量1,007万バレルと、目標を約1万2,000バレル超過する水準だった。最近の原油安を受けて、ゴールドマン・サックスは「米国の原油在庫が大幅に減少せず、石油掘削が衰えていなければ、WTI原油は40ドルを割り込む可能性もある」と指摘している。OPECのバルキンド事務局長は「すべての産油国が市場均衡に協力すべき」との認識を示している。

一方で、インドは初めて米国産原油を輸入する見通し。同国内最大手のインディアン・オイル(IOC)が10月渡しの契約で購入したという。6月にモディ首相が訪米した際に、トランプ大統領がインドへのより多くのエネルギー輸出に意欲を表明し、今回の輸入が実現したという。IOCは、「価格が適正な限り、米国産原油の買い付けを増やしていく」としている。