圧迫材料多し。金は狭いレンジで推移

 金相場は小幅下落。ただし、狭いレンジでの推移が続いている。次の方向性を見出そうとする動きと見ている。

 米下院で税制改革法案が可決したことを受けたドルの上昇は、金相場の圧迫要因だ。ただし、同法案では連邦政府の法人税や個人所得税の税率が引き下げられる一方で、上院案とのかい離が大きく、上院ではまだ採決されていない。

 さらに米国の短期金利の上昇も金価格圧迫要因になる。米利上げ継続の見通しと米財政政策に関する不透明感があり、金相場は方向感をやや失っている印象である。また、米国株が持ち直しており、これも金相場にはネガティブである。ただ、これらの材料にもかかわらず、金相場は堅調との印象が強い。1,270ドル前後をサポートする動きが続ており、いずれ1,300ドルを超える動きが見られそうである。

 一方、ACEA(欧州自動車工業会)が発表した10月のEU(欧州連合)とEFTA(欧州自由貿易連合)の新車登録台数は前年比5.9%増の120万8,000台だった。

 

ニッケルは急騰の反動で続落

 非鉄相場は軟調な展開。LME(ロンドン金属取引所)在庫は鉛が増加したが、その他は減少した。

 アルミは小幅続伸。一時2,130ドルまで上昇し、レジスタンスを試したが、抜けきれなかった。これを抜けて、さらに2,145ドルを超えると、次の上昇に向かう見込み。銅は横ばいだが、下値固めの動きにある。6,750ドル前後のサポートを割り込まなければ、6,900ドルを試し、これを抜けると再び上向くことになる。

 ニッケルは続落で、基調は下向きになっている。EV(電気自動車)向け需要への期待感から急騰した反動が続いており、下げ止まらない。1万1,000ドルまでの下落の可能性も出てきているようだ。

亜鉛は続落。まだ弱い動き。下値確認をしなければ、次の動きに入ることはできない。最大で3,050ドルまでの下げはあり得るだろう。鉛は続落で、最重要サポートの2,400ドルまで下げてきた。これ以上の下げは非常に危険である。ここで下げ止まるのかを確認することが先決である。

 一方、BHPビリトンのマッケンジーCEO(最高経営責任者)は、豪州のニッケル事業の売却先も模索しているとしている。マッケンジーCEOは「ニッケル・ウエスト部門とシェール事業はいずれも非中核事業だ」と説明。BHPは05年にニッケル・ウエストを取得。過去にも売却を試みたが実現していない。8月には4,300万ドルを投じてニッケル加工工場を建設する計画を発表し、同部門は維持されるとの見方が一部で広がっていたが、同CEOは「売却に適切な時期を模索している」としている。

 

原油は続落。米国の増産、在庫増が重し

 原油は続落。ただし下げ渋りの様相となっている。

 OPEC(石油輸出国機構)が30日の総会で、減産合意の期限延長で合意する見込みであるものの、米国での増産と在庫増が重しになっている印象である。

 一方、IEA(国際エネルギー機関)は今後10年間に見込まれる世界の原油供給増の80%を米国が占めるとしており、今後の世界の石油供給の行方は米国次第といえる。

 これは米国の増産はEIA(米エネルギー情報局)の週間石油統計でも示されている。直近の産油量は日量965万バレルと、2016年半ばの水準から約15%増加している。これまでの原油価格の低迷でも、産油量は底堅さを見せている。ただし、今後も今の原油相場の水準が続けば、新規の生産には厳しい状況となるだろう。その意味では、持続的な産油量の増加にはより高い原油価格が必要といえる。

 また、ロシアの石油各社はOPECと非加盟国の協調減産の延長に関して、同国政府との協議を継続する方針。15日に開催された会合では結論が出なかったとされている。協議は1週間後に再開される見通しで、その結果がOPEC総会に反映される可能性がある。

 一方、BHPビリトンのマッケンジー最高経営責任者(CEO)は、オンショアの米シェール事業から2年以内に撤退する方針を明らかにした。2011年にシェール事業に参入し、これまでに多額の投資を行ってきたが、原油価格の下落により約130億ドルの税引き前評価損を計上している。そのうえで、「2年以内、理想的にはもう少し短期間で撤退する意向だ」と見解を示し、原油価格は妥当な水準で推移していくと予想。「これは維持する事業、また売却プロセスにとってよいことだ」としている。