米トリプル安に、金も同調

 金相場は小幅反落。一時は10月20日以来の高値をつけたものの、その後は上値を打たれる形で下げている。

 米長期金利が低下。ドルが下落して株価も下げているが、金も下げるきわめて珍しい値動きとなっている。10月の米小売売上高は堅調だったが、CPI(米消費者物価指数)の伸びは鈍化しており、本来であれば金市場にはポジティブな材料はずだ。

 一方、米税制改策の遅延リスクの高まりは、金相場にはポジティブ要因となるだろう。

 12月の米利上げを市場が織り込む中、来年以降の利上げペースにも目が向き始めている。現状のインフレ率ではFRB(米連邦準備制度理事会)が想定するペースでの利上げが困難になる可能性が高く、これも金相場にはポジティブ要因。1,270ドルの堅さを考慮すれば、金相場は相当堅調であるといってよいだろう。

 

アルミは反発。目先の調整終了か

 非鉄相場は軟調な展開。LME(ロンドン金属取引所)在庫はアルミ、ニッケル、亜鉛が増加したが、銅と鉛は減少した。

 アルミは反発。一時2,060ドルの重要なサポートを試したが、これを割り込まずに反発しており、目先の調整を終えた可能性が高まっている。銅は続落したが、6,750ドル前後のサポートで辛うじて下げ止まっている。一段安にならなければ、6,900ドルを試す動きになるだろう。ニッケルも続落だが、1万1,600ドルのサポートを終値で維持。ここで下げ止まれば、反発の可能性が高まることになる。

 亜鉛は小幅続落。動きはまだ弱い。3,160ドルを回復することが、反発への最低条件になる。鉛は大幅安。崩れているが、2,400ドルで下げ止まれば調整完了となり、上昇基調を維持したと判断できる。

 一方、中国国有企業の中国アルミ業公司(チャイナルコ)は、環境規制に対応するため、今冬にアルミナの精錬能力を200万トン削減する方針を示し、10月に、河南省と山東省の精錬所で生産能力の削減を開始。生産規制は来年3月15日に解除されるという。

 

米在庫増から、原油は続落

 原油は続落。EIA(米エネルギー情報局)が発表した週間在庫統計で、原油やガソリンの在庫が市場予想に反して増加したことが嫌気された。ただし、製油所稼働率の上昇やディスティレート在庫の減少で、安値からは値を戻した。

 一方、IEA(国際エネルギー機関)が前日に発表した世界の石油需要の伸びの鈍化見通しは、引き続き圧迫要因になっていると考えられる。EIA統計では、原油在庫は前週比185万バレル増、ガソリン在庫は同89万バレル増、ディスティレート在庫は同80万バレル減。うちヒーティングオイル在庫は同46万バレル減だった。

 原油輸入は前週比日量26万バレル増、石油製品輸入は同日量9万バレル減だった。ガソリン生産は同日量31万バレル減、ディスティレート生産は同日量3万バレル増、製油所処理量は同日量33万バレル増。原油生産量は日量964万バレルで、前週比2万バレル増だった。

 ところで、イラクのアバディ首相は「原油による収入を開発に回せるほど、原油価格は高くない」という見解を示している。

 ロシアでは、財政危機に陥っているベネズエラの対ロシアの債務再編について両国が合意したと発表。31億5,000万ドルを10年で返済する見込み。ベネズエラは2011年にロシアから借り入れたが、返済が困難になっていた。ベネズエラはトランプ米政権による制裁強化で資金繰りが悪化しており、S&Pグローバル・レーティングは、ベネズエラの外貨建て長期国債の格付けを一部の債務を履行しない「選択的デフォルト」に引き下げている。

 IIF(国際金融協会)によると、ベネズエラの対外公的債務は約1,500億ドルで、このうち中国に対する債務が230億ドルを占めているという。ベネズエラは融資の返済に原油を充てる形などで、中国やロシアから資金を借り入れた経緯がある。産油国の財政が厳しい状況にあることからも、原油価格の引き上げは産油国の喫緊の課題であるといえる。