米金利上昇も、金強く

 金相場は反発。米税制改革をめぐる先行き不透明感から、リスク回避の動きが高まり、下値を狙う動きが見られている。

 米金利の上昇はあまり材料視されておらず、ここに今の金相場の強さが確認できる。北朝鮮の核・ミサイル開発などがこれまでの下支え要因だったが、こういった地政学的リスクが薄れている現在も、ドルが強くとも、米利上げ観測が出ても下げずにいる。

 問題は来年の利上げペースだが、現在のインフレ状況では積極的な利上げは難しいはず。過剰に神経質になる必要はないと考えている。

 

アルミは下げ止まり、小幅続伸

 非鉄相場は軟調な展開。LME(ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。

 アルミは小幅続伸。下げ止まったようである。とはいえ、2,150ドルを回復しないと安心感はないものの、LME在庫は減少傾向を続けており、これは支援材料だ。銅は反発。6,750ドルを維持して反発しており、上値を狙いやすい地合いに入ったと言えそうだ。LME在庫も減少傾向が続いており、6,925ドルを超えると上昇に勢いがつきそうだ。ニッケルは反発。結果的に1万2,165ドルのサポートを維持した格好であり、これで再び上値を狙いやすくなったと言える。LME在庫の減少トレンドも支援材料である。

 亜鉛はほぼ横ばいで、高値圏を維持。LME在庫の急減トレンドも支援材料だ。鉛は続伸。2,515ドルを超えたことから、上げやすくなったと言える。全体的に底打ちから反発に向かう動きに入った感がある。

 

原油は上値重く、狭いレンジで推移

 原油は狭いレンジで推移。中東情勢に緊張はあるものの、米国内の石油掘削リグ(装置)稼働数の増加が上値を押さえている。

 サウジアラビアのムハンマド皇太子が主導する汚職名目の摘発や、イエメン情勢の混乱、サウジとイランの対立の深まりで、中東情勢の緊張感が高まっている。

 一方、イランとイラクの国境地帯で12日に発生した強い地震が、原油生産に影響があったかどうかは、いまだ不明。目先は上値が重くなっていることもあり、上値を試す前に日柄調整が必要な状況にある。

 OPEC(石油輸出国機構)は2018年に石油需要が増加する一方、減産合意の影響で余剰在庫が削減されるため、需給が一段と引き締まると予想。ただし、サウジの産油量が日量1,000万バレルを突破したと指摘する。

 OPECが発表した10月の加盟国の産油量は、全体では前月比0.5%減の日量3,258万9,000バレルだった。サウジやリビアは増加したが、イラク、ナイジェリア、ベネズエラなどが減少。昨年11月の減産合意後に加盟した赤道ギニア共和国を除いたベースでは3,245万4,000バレルとなり、生産上限の3,250万バレルを下回った。アルジェリアは3.7%減の101万2000バレル、ナイジェリアが3.0%減の173万8000バレル、イラクは2.9%減の348万3000バレル、ベネズエラは2.3%減の186万3000バレル、イランは0.3%減の382万3000バレルだった。

 そして、リビアは4.6%増の96万2,000バレル、アンゴラは4.3%増の171万1,000バレル、サウジは0.2%増の1,000万バレルだった。

 生産上限の順守状況は、アルジェリア、カタール、サウジ、UAE(アラブ首長国連邦)、ベネズエラの5カ国がクリアした。しかし、アンゴラ、エクアドル、ガボン、イラン、イラク、クウェートの6カ国が超過。リビアとナイジェリアは国内の治安状況などから生産枠の適用を免除されているが、最近の産油量の急増がOPEC全体の減産努力を相殺している格好となった。ただし、ナイジェリアは7月に180万バレルを上限に自主的な生産調整を行うことを表明している。

 一方で、OPECは加盟国とロシアなど非加盟国との協調減産合意の延長を、11月30日の総会で決定するもようだ。OPEC加盟2カ国の石油相が明らかにしている。

 UAEのマズルーイ・エネルギー相は、「OPEC総会以降に決定を持ち越す必要はない」との見方を示し、オマーンのルムヒ石油・ガス相も今月の合意に自信を示している。さらにUAEのマズルーイ氏は「3月まで決定を先送りする必要性は見当たらない。来年第1四半期は臨時でない限り総会を開く予定はない」と発言。UAEは来年、OPEC議長国を務めることになっている。

 一方、オマーンのルムヒ氏は「減産合意を延長するとすれば、2018年末までになる」とした上で、産油国が減産幅の拡大に合意するとは思わないとしている。OPECのバルキンド事務局長は、「石油需要は堅調で世界で在庫は目に見えて減少した」とし、石油市場で不均衡の是正が急速に進んでいるとの認識を示している。

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