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米税制改革の実現見通せず、金は反発
江守 哲
コモディティ デイリーコメント
貴金属、原油を中心とした商品(コモディティ)マーケットの要点をまとめたデイリーコメント。コモディティマーケットに精通した江守氏の鋭い着眼点に注目。

米税制改革の実現見通せず、金は反発

2017/11/9
・米税制改革の実現見通せず、金は反発
・非鉄はまちまち
・在庫増、中国需要減で原油は小幅続落
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米税制改革の実現見通せず、金は反発

 金相場は反発。米国株が上昇したが、米税制改革が遅れる可能性があるとの見方でドルが下落した。

 米共和党の上院執行部が法人税減税の実施先送りを検討しているとの報道について、米議会下院のライアン議長が、減税が遅れる可能性に含みを残したことが材料視されている。

 また、米長期金利が抑制されていることも、金相場にはポジティブ要因だ。

 一方、12月の米利上げは確実だが、市場にほぼ織り込まれており、サプライズはないだろう。もっとも、FRB(米連邦準備制度理事会)の考え方がどのような方向にあるのかを再確認する必要があるだろう。また、税制改革が遅れることで、来年の利上げペースが減速するかにも注目することになる。

 いずれにしても、目先の材料に乏しく、動きづらい中で金相場は下値を固める動きを強めることになりそうである。昨日時点で1,280ドルの上値を抜けており、いったんは1,300ドル近くまで戻す可能性は十分にあるだろう。引き続き、米長期金利と米国株の動向に注目しておきたい。

 一方、パラジウムが高値を更新し、1,000ドルを明確に超えている。この動きにも注目しておきたい。

 

非鉄はまちまち

 非鉄相場はまちまちの展開。LME(ロンドン金属取引所)在庫はアルミが増加したが、それ以外は減少した。

 アルミは大幅続落。2,130ドルのサポートを割り込んでおり、基調は弱い。下げ止まれないと2,050ドル前後まで下げてしまう可能性がある。銅は反発したが、上値は重い。6,750ドルを維持していれば、反発のチャンスも出てくるだろう。ニッケルも小幅反発だが、上値も重い。1万2,700ドルを明確に超えてこないと、次の動きには入れないだろう。

 亜鉛も反発し、3,150ドルのサポートを辛うじて維持している。3,210ドルを超えると上値を試しやすいだろう。鉛は続伸し、上値を試す動きに入った。全般的にやや上値は重いものの、下値固めを完了すれば、再びしっかりとした動きになっていくだろう。

 中国の10月の銅輸入は33万トンで、前月の43万トンから減少。4月以来の低水準となったが、前年同月の29万トンは上回った。1〜10月累計では376万トンと、前年同期比7.8%減に。銅相場の上昇が輸入抑制につながったとみられる。

 一方、10月の石炭輸入量は2,128万トンと、前月の2,708万トンから減少。中国では大気汚染対策で厳しい目標を達成するため、石炭からより環境負荷の少ないエネルギーへの切り替えを進めており、これが輸入減少につながっているとみられている。

 1〜10月累計では2億2,613万トンと、前年同期比12%増だった。また、10月の鉄鉱石輸入は過去最高だった前月から22.7%減の7,949万トンにとどまる。鉄鋼輸出は前月比3%減の498万トンだった。

 また、10月の中国乗用車販売(小型商用車含む、出荷ベース)台数は234万6,016台で、前年同月比ほぼ横ばいだった。今年から小型車減税の減税幅が縮小されるのを前に、昨年末にかけて駆け込み需要が膨らんだ影響で、9月以降は前年比の伸び率が急激に鈍化しつつある。1〜10月累計の乗用車販売台数は前年同期比2.3%増の1,948万2,758台。

 

在庫増、中国需要減で原油は小幅続落

 原油は小幅続落。EIA(米エネルギー情報局)が発表した週間石油在庫統計で、米国内の産油量が増加し、原油在庫が増加したこと、さらに中国の原油輸入量の減少が売り材料視された。しかし、最近の中東情勢の緊迫化が下値を支える。

 EIAが発表した3日までの週の米国内の産油量は日量962万バレルと、1983年以降で最高を記録。原油在庫は前週比220万バレル増となり、市場予想の290万バレル減と逆の動きとなった。ガソリン在庫は330万バレル減、ディスティレート在庫は340万バレル減となり、石油製品の減少傾向は続いている。

 米国内の産油量の増加は、WTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油がブレント原油に対して安いことから、米国での生産を増やし、輸出することで収益を上げること狙ったものではないかと考えられる。

 一方、サウジアラビアとイランの対立の深まりや、サウジ国内の汚職名目の摘発の動きには注意が必要だ。これら地政学的リスクが意識されると、これが下値を支えるものと思われる。

 報道によれば、サウジのムハンマド皇太子が進めている汚職名目の摘発は、最終的に数百人規模に達する可能性があるようだ。4日に拘束が伝えられた王子11人や現職閣僚らの他に、拘束や銀行口座の凍結が拡大。拘束対象者は2011年に死去したサルマン国王の実兄スルタン元皇太子の親族とつながりのある人物にも広がっているという。摘発によって凍結されたサウジ国内の銀行口座は既に1,700を超え、増え続けているとされている。

 一方、中国の10月の原油輸入は10月の原油輸入は3,103万トン(日量730万バレル)で、前年同月比では増加したが、過去最高に近い水準だった9月の900万バレルから大幅に減少し、13カ月ぶりの低水準となった。民間精製業者による購買が鈍化したことが背景にあるという。

 しかし、実際には自営精製業者の多くが今年の輸入割り当てに達したことで、輸入余地がなくなったことが理由のようである。11月の数値も確認したいところである。

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