金は3週ぶりに上昇

 金相場は上昇。週間ベースでは3週連続で下落していたが、地政学的リスクの台頭や米長期金利の低下が安全資産としての買いを促した。

 この日はサウジアラビアに関する報道に注目が集まった。サウジでは汚職粛清を行い、王族、閣僚、さらには著名投資家のアルワリード王子らを拘束。次期国王と目されるムハンマド皇太子への権力集中を一段と進めたもよう。これらが材料視され、下げを取り戻す動きになっている。一部の投機家や投資家は金から資金を引き上げている動きがあるが、その割に1,270ドル前後ではしっかりと買われている。

 また、米国ではインフレ指標の低迷もあり、米長期金利が上昇しづらい状況が続いている。これは金利のつかない金にとってはポジティブである。

 一方、市場では銀相場への関心が高まっているとの指摘もある。値動きに乏しい金から、上昇した際の値幅が大きい銀に資金を、一部の投資家がシフトしているとの見方もある。銀相場は17.5ドルに重要な節目がある。

 またプラチナも値を戻し、パラジウムは引き続き高値圏で推移。

 

在庫減少し、非鉄は堅調

 非鉄相場はおおむね堅調。LME (ロンドン金属取引所)在庫はすべての銘柄が減少した。
アルミは反落したが、2,160ドルのサポートを維持しており、基調は変わらない。銅は反発し、再び上値を試す動き。ニッケルは急伸。終値ベースでの高値を更新し、1万3,000ドル目前となった。亜鉛も反発し、鉛は急伸している。基調は再び上向きになっている。

 EV(電気自動車)のバッテリー向け需要が強さを見せていることから、ニッケル相場の堅調さに、市場の注目が集まっている。

 

サウジの内政混乱懸念から、原油は2015年半ば以来の高値圏に

 原油は大幅続伸。2015年半ば以来の高値をつけた。米国内の石油掘削リグ(装置)稼働数の減少や、OPEC(石油輸出国機構)加盟・非加盟国による協調減産効果に加え、サウジで汚職関与を理由に王族や閣僚、投資家らが拘束されたことが材料視された。

 サウジで行われた拘束は、王位継承順位第1位であるムハンマド皇太子への権力集中を推し進めるためと考えられる。関係者は「汚職取り締まりの第1段階にすぎない」とする。

 また、ムハンマド皇太子は国営石油会社サウジアラムコのIPO(新規株式公開)を来年実施する意向。そのためにも、自身のポジションを確固たるものにし、さらに原油価格を引き上げることでアラムコの時価総額を押し上げる必要がある。これを考えると、サウジが原油価格引き上げのため、減産を止める可能性は低そうだ。

 一方、イエメンのイスラム教シーア派系武装組織フーシ派が、サウジの首都リヤドに向けて弾道ミサイルを発射。サウジ側は「イランによる軍事侵攻であり、戦争行為の恐れがある」と警告した。

 フーシ派はイランの支援を受けており、発射されたミサイルはイラン製とされている。イスラム教スンニ派のサウジとシーア派大国のイランは2016年に断交し、対立中だ。

 サウジ主導の連合軍は「応戦する権利がある」と軍事的な対抗措置も辞さないとけん制。報道では、連合軍はフーシ派へのイラン製武器の流入を防ぐ名目で、陸海空すべてのイエメン国境を一時封鎖するとしていることから、イエメンの人道危機の悪化が懸念される。

 一方、イラン外務省報道官は「根拠がなく挑発的だ」とサウジ側の主張を非難。これらも原油市場にはポジティブな材料になっているようだ。