2023年決算は移植件数の下振れやコスト増で赤字拡大、競争激化などが懸念材料に

現地コード 銘柄名
02160

微創心通医療科技

(マイクロポート・カーディオフロー・メドテック)

株価 情報種類

1.00HKD
(4/3現在)

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 中国の人工心臓弁開発会社、微創心通医療科技の2023年12月本決算の売上高は、前年比33.9%増の3億3,600万元と、同社が事前に示したガイダンス(3億3,000万-3億4,900万元)と合致したが、BOCIの予想には届かなかった。期中の総移植件数は3,820件で、うち中国国内が3,700件、海外が120件と、いずれもガイダンスを下回る数字。販売費や減損損失、投資損失の増大が響き、通期の純損失は前年の4億5,400万元から4億7,200万元に拡大した。経営陣は続く2024年について、国内の移植件数が5,000件に達し、海外では前年比100%超の伸びを示すと予想。売上高の前年比34-49%増(4億5,000万-5億元)を見込み、粗利益率の改善や営業費用の抑制で、営業損失が1億元を下回る見通しを示した。ただ、BOCIは成長見通しを下方修正。目標株価を引き下げ、同社株価の先行きに対して中立見通しを付与している。

 2023年には国内での売上高が前年比33%増の3億2,500万元。海外が59%増の1,130万元。医療機関のカバー数は国内554カ所、海外約100カ所で、計650カ所強だった。

 コスト管理の効率化とスケールメリットの拡大で、通期の粗利益率は68.4%と、前年比3.8ポイント改善した。研究開発費は2億3,700万元、一般管理費は7,000万元と、ほぼ前年並み。ただ、売上規模の拡大に伴い、販売・マーケティング費は39%膨らんだ。非現金損失が1億9,600万元に達したことも痛手となり、純損失は4億6,500万元。手元現金は期末時点で、総額17億7,000万元だった。

 経営陣はカンファレンスコールの場で、TAVR(経カテーテル大動脈弁植え込み術)業界全体の移植件数について、2024年に前年比30-40%増の2万件を予想。うち自社が5,000件を占める見通しを示した。また、同年の売上高を4億5,000万-5億元と予想。粗利益率が少なくとも70%に改善し、販売費、研究開発費、一般管理費の対売上高比率はそれぞれ60%、40%、15%以下に落ち着くとした。営業損失は1億元以下に縮小するとの見方。2025年には損益分岐点に到達するとしている。

 決算発表後、BOCIは予想を下回る移植件数や競争激化を受けた継続的な値下げ圧力、業界全体の成長ペースが予想を下回る見通しを反映させた上で、2024年、2025年の予想売上高を17%、24%減額修正した。コスト削減努力を考慮し、両年の赤字予想をより小幅に修正したものの、主にTAVR業界の競争激化と、TMVR(経皮的僧帽弁置換術)の収益貢献の遅れ、さらにTMVr(経皮的僧帽弁接合不全修復術)の貢献の消失を理由に、収益の長期成長見通しを下方修正した。経営陣によると、TMVRの投入は2029年にずれ込む見込み。TMVrはすでに開発候補から除外された。BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)に基づく目標株価を引き下げた上で、同社株価の先行きに対して中立見通しを付与している。