NYダウ、史上最高値更新

 以下の通り、先週、世界の株価指数の象徴的存在であるNYダウ(ダウ工業株30種平均)は、史上最高値を2カ月ぶりに更新しました。

 昨年3月に、新型コロナがパンデミックと称されたことをきっかけに、世界中で多数の株価指数やコモディティ(商品)銘柄が急落したわけですが、あれから1年7カ月、NYダウは、「新型コロナショック」で急落した時の安値に比べ、およそ2倍になりました。

図:NYダウの価格推移 単位:ドル

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 飛ぶ鳥を落とす勢いで上昇してきたNYダウですが、気がかりな値動きがあります。上図内で示した「2021年夏の上げ止まり」です。10月に入り、再び史上最高値を更新したため、この「2021年夏の上げ止まり」は、単に一時的な「上昇一服」のようにとらえられがちです。

 しかし、実は、この「2021年夏」は、NYダウだけではなく、世界全体として、地殻変動とも言うべき大きな変化が見られた期間でした。今回は、この「2021年夏」に起きた大きな変化をひも解き、そこから得られた考え方をもとに、年末までの、筆者が考える、金(ゴールド)、銅、原油の価格動向の方向性について、述べます。